産業発展フェーズによって駐在員教育は変わる グローバル人事の「目」(第9回)
駐在員が駐在先で感じるいちばんの課題は、「異文化対応」である。これは、日本人は日常的に海外の人と触れ合う機会がほとんどなく、異文化の人とのコミュニケーションに慣れていないことに起因する。
そもそも、各国独自の文化や価値観はどのように醸成されるか。過去、その国の文化や価値観は、その国の宗教や歴史の流れからゆっくり時間をかけて醸成されてきた。
しかしここ数年で新興国が成し遂げた「近代化と産業発展」は、その国が本来持つ文化や価値観をねじ曲げてしまうほど、多大な影響を与えている。残念ながら、日本企業はこの事実に気づいておらず、その国の宗教や歴史的背景からくる一般論的な文化・価値観の考え方を教えるレベルにとどまっている。
本連載では日本企業に最も影響を与えている国の代表格である中国を題材に、国や産業の発展フェーズを加味した異文化対応力を身に付ける方法を解説する。
マッキンゼー式のノウハウを基に次世代リーダーを育成するインヴィニオ チャイナ 総経理CEOの大城昭仁氏によると、日本と中国の文化の違いを示す調査結果を調べたところ、文化に多少の違いはあるが、その他の国の間の文化ギャップよりも、日本と中国の文化の違いは少ないという結果が多かったという。
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