エチオピアには世界レベルの起業家がいる

古タイヤを使ったおしゃれな靴で大成功

起業したいと思ったのは、高校卒業後3年間通った専門学校を出て税理士として会社勤めをしていた頃だった。毎日決まりきった仕事で、かつ給料は低い。よりよい仕事はないかといつも考えていた。思いついたのが天然素材や手織りの布など自分の生まれ育った村にあるものを使ってビジネスをすることだった。

村ではもともと男性たちがタイヤを捨てずに再利用して黒色のシンプルなサンダルを作っていた。女性たちは糸を紡いだり、布を織っていた。子どもたちも大人を手伝って刺繍をしていた。自分の生まれ育った村にはこのような環境があった。「自分の周りにあるものを使ってビジネスをしよう、このタイヤ再利用ならいけるかもしれない、と思いました。起業するにはアイデアが一番大事でしょう?」

2002年、自分と弟を含めて5人でリサイクルタイヤを使いビーチサンダル作りからスタート。2年後、親族などから集めた約1万ドル(約104万円)の資金で会社を設立した。今では、従業員はデザイナー、糸紡ぎ、布織り、革の裁断、縫製などの職人たちと、セールスなど120人。工場とはいえ、機械であるものといえばミシンぐらいで、ほかはすべて“ハンド・メイド”だ。現在、工場をさらに拡張するところで、今年9月には従業員は500人になる。新工場が稼働し始めると、生産数は今の1日当たり150〜200足から1500足へと一気に増産できるようになる。「今後はもっと拡大して、エチオピアの人々の雇用を増やしていきたい」とベツレヘムは話す。

3カ月ごとに新コレクションを投入

5月にオープンしたばかりのエチオピアで2店舗目となるソールレベルズ。これらの靴は古タイヤをリサイクルして作られたフェアトレード商品だ ©Kiyori Ueno

直営店舗はエチオピアの店舗のほか、ギリシャ、米国、スイス、スペイン、シンガポール、台湾など9カ国・地域に17店舗。ほかにオンラインで販売しており、日本を含め世界65カ国に顧客がいる。現在の計画では3年以内に北欧、インド、東南アジア、ほかのアフリカ諸国などに50〜60の新店舗を展開していく予定だ。売り上げも2002年の200万ドルから今年は2000万ドル、2018年には2億5000万ドルになるという。成功の秘訣は、ほかのブランドとは違うユニークな製品を出しているからだという。それに3カ月ごとに新コレクションも出している。

エチオピア国内では、当初は比較的裕福で余裕のある外国人旅行客をターゲットにしていた。しかし今では、顧客の半数はエチオピア人になった。ここ5年でエチオピアの中間層が増加したことと、国内でもデザインなどに対する理解が深まったためと見ている。女性用のサンダルが700ブル(約3500円、1ブル=約5円)、最も高価格なブーツは2000ブルと、エチオピア製としては高級な靴がエチオピア人にも売れ始めているということは、エチオピアが確実に経済成長していることを映し出している。

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