ネットでの評判が気になる人、ならない人 結局、みんなが知りたいのは他人の年収だ
中川:今回の本でいうと、住まい選びで「近接性」が重要視されるようになった、という論考に到達したのがキモなんでしょうね。
速水:そうですね。で、中川さんは仕事との近接性を意識してきた、と僕は読むわけ。そして、たぶん中川理論でいうなら「見栄のために高級品を所有するようなバカバカしい消費は控えて、節約できるところはどんどん節約しよう。だけど、コミュニケーションにはカネをかけるべきだ」ということになるんだと思う。つまり、引っ越しはコミュニケーションコストなんだよ、ってことですよね。
中川:そうだと思います。
速水:それが、中川さんの『節約する人に貧しい人はいない。』と、僕の『東京どこに住む?』が一致する部分なんじゃないかな。
中川:おぉ、確かに。
速水:中川さんの今回の本って、一見、「服や靴、クルマ、時計なんかにおカネをかけても無意味だ。オレなんて基本、3パターンの服だけで過ごしている」みたいな、独自の価値観のインパクトに気を取られてしまうけど、それだと本質を読み違えるんじゃないかと思う。
中川:かもしれません。
ご祝儀にオレは5万円を包む
速水:節約する一方で、ちゃんとおカネをかけているところだったり、おカネをかけない代わりに努力しているところだったりにも気づかないと、読んでも勘違いだけして終わるよ。だって、後輩にはちゃんとおごるし、ちょっとお世話になっている人にはご祝儀に3万円ではなく5万円を包むわけだから、けっこう勇気のいるおカネの使い方をしている。
中川:結婚式のご祝儀は効きますよ。「友人なら3万円」が定説でしょ。でも、オレは5万円を包む。
速水:「うわっ、中川さん5万円だよ。なんか悪いよねぇ。ありがたいねぇ」なんて思うよ、絶対。
中川:その結果、良い評判が出回るようになる。
速水:ただ、どうしても納得いかないのは「1000円ヘアカットで十分」のくだり。
中川:えっ、どうしてですか?
速水:僕、天然パーマだからさ。髪質で苦労してないから、散髪は1000円の店で十分なんて言えるんだよ!
中川:あわわわわ、失礼しました~。
(構成:漆原直行、撮影:今井 康一)
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