ネットでの評判が気になる人、ならない人 結局、みんなが知りたいのは他人の年収だ
速水:結局、カネに関する情報しか求めていないんだ。
中川:はい、間違いないと思います。そのためにお金払って半年もの講座を受けている。で、みんなの興味関心がそこにあるわけだから、それはプロとしておカネをいただいている以上、ちゃんと伝えなきゃいけないと考えているんです。今回の本にしてもそうですよ。
速水:ほう。
中川:オレ、かなり昔ですけど、頼まれて情報商材を書いていたことがあるんです。『38人の女と同時に付き合う方法』みたいな胡散臭いヤツ。内容はもう、テキトーなウソと屁理屈を書き連ねただけのヒドイ内容で。この仕事をしているときは、本当に苦痛でしたね。ウソしか書いていないんだから。
速水:求められている情報が何かわかっているなら、そこにウソやまやかしを混ぜたりせず、正しい情報を開示していく……というのが中川さんのモノカキとしての倫理である、と。
中川:カッコよく言えば、そういうことです。あと、何でも開けっ広げに語ってくれる人、身も蓋もないことをバンバンしゃべってくれる人、なんて印象を持ってもらえると、メディアからコメントを求められたりする機会も増える。別にコメンテーターやタレント文化人を目指して仕事をしてきたわけじゃないけど、そういう引き合いがあるのはありがたいことですから。まあでも、結局は何でも明かしちゃうほうが自分も楽だから、というのが大きいかな。これまで何かを詐称したこともないし、全部オープンにして困ることはないので。
速水:なるほどねぇ。
中川:あ、でも、ツイッターとかで何でもかんでも開示したりはしませんよ。ちゃんと1000円からのおカネを払って本を買ってくれた人と、ツイッターでクソリプを飛ばしてきたり、揚げ足を取ってきたりするような連中の区別はします。カネを払っていない人間にまで全部お伝えする筋合いはないかなと思って。
速水:1等席と2等席でちゃんとサービスの内容を分ける、みたいなこと?
中川:そうです。オレのSNSでの発言が、自分の意に沿わないような内容だったりすると「今までフォローしてきたのに」とか恩を着せるようなクソリプを飛ばしてくるような人っているけど、「うるせぇよ」で終わり。フォローごときで客だと思ってんじゃねーよ、としか考えないです。
ネットコミュニティでの評価と収入の関係
速水:中川さんの「ツイート読んだ」「フォローしてるのに」くらいでお客様ヅラしてんじゃねーぞ、という指摘って、実はすごく現代的な問題だと思う。僕らのような、公の場で書きものをしたり、メディア露出したりする、情報発信側の人間は、SNSなどを通じてつねに品定めされているような部分があるじゃないですか。受け手側にお客様意識があるから、わりと上からモノを言ってくる人も多いし。