まるでコクピット、"ガンダム建機"の真髄 日立建機のアスタコ、”生みの親”が語る

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私も実際に作業服で組み立て現場に手伝いに行って、油圧ホースを取り付けたりして油まみれになることがあります。でも、油圧回路どおりに動かせるとうれしい。モノを作るのは、泥臭いけれど楽しいですよ」

アスタコは、単なる独創的な機械であるだけではない。中国や韓国のメーカーが先進国メーカーを猛追する建機業界にあって、日本メーカーならではの強さを守るという使命を担っているのだ。

安くつくるだけなら中国や韓国に負ける

「黙っていても作れば売れる機械を作っているほうが、会社としては楽ですし、儲かります。でも、ロボット化や電動化のような新しい技術の開発もちゃんとやっていないと、10年後には中国と韓国のメーカーだけになってしまうんです。安く作るだけであれば、中韓のメーカーにまったく勝てないでしょう。決して楽をしちゃいけないのだと思います。

双腕機を他社がまねすることはできるでしょうが、日立建機がパイオニア。まねしてきたら、さらに上の製品を出すだけです。どういう構造で作ったら安くでき、使いやすくなるかを、もう何年も考えています。ぱっと見でまねできても、本質的なところまではおそらく到達できないでしょう」

小俣氏は最後に、アスタコNEO発売のニュースリリースで使われている写真の裏話を聞かせてくれた。

「あの写真は、私がアスタコのいちばんかっこいい角度を見つけて自分で撮ったんです。重機にモデル立ちをさせて、足回りをちょっと斜めに、しなを作って。そしてちょっと腕を広げて、いちばん強そうに見える角度で撮りました」

きわめてまじめな顔でユニークなことを言う小俣氏。世界的なメーカーを動かして面白い建機を生み出した実績と、どこか重なる。

(注:運転席の写真はアスタコNEOのプロトタイプのもの)

長谷川 愛 東洋経済 記者
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