まるでコクピット、"ガンダム建機"の真髄

日立建機のアスタコ、”生みの親”が語る

アスタコ開発者の小俣貴之氏

最近は、個人レベルで人が乗れる双腕のロボットをホビー的に作ったりもしていますが、メーカーが真面目にそういうものを作るためには、『どういう市場があって』『いくらで作って』『いくらで売れるのか』というストーリーがちゃんと立っていないといけません。周りの人を取りまとめて盛り上げていくのに比べれば、技術的な課題は難しくありませんでした。

アスタコがテレビで取り上げられ、注目されたことで、社内で味方を増やすことができました。今は知名度が上がって人気なので、社内のどこに協力をお願いしても快く応じてくれます」

ついにカタログに載った

逆風にあらがい、初代アスタコが誕生したのは2005年。それ以来、何台かの特注品が作られた。実験的な試行錯誤を続け、8年の時を経て、今年9月14日、ついにカタログに載る「製品」、「アスタコNEO」がデビューした。受注生産で、価格は2360万円。通常の油圧ショベルの約1.5倍のイメージだ。販売目標は、「作るたびに時間がかかるので、年間5台も売れれば御の字」。発売以来、小俣氏はアスタコを連れて日本全国を飛び回り、顧客候補に技術指導をしている。

「スクラップ業者や解体業者の需要を想定しています。ただ、限定するつもりはありません。今まで重機に関わっていないようなところも狙えたらいいなあと思いますし、これを機に、コマツやキャタピラーの重機を使っているお客さんが、日立建機に興味を持ってくれたらと思います。

外国のほうからも実はいろいろ注文があり、資料送付を希望されることもあります。ですが、アフターサービス体制をすぐに整備できないので、当面海外に出すつもりはありません」

メーカーの製品として、ついに世に送り出したアスタコ。販売活動に力を入れる一方、小俣氏はアスタコを通して若者に伝えたい熱い思いを持っている。

「この機械が売れてくれればハッピー。でも、たくさん売るというよりも、ネット上でアスタコの写真や動画を見てはしゃいでくれている若い人たちが、『日立建機って面白い会社だな』と思ってくれたらうれしい。その中の100人に1人でもいい。彼らが大人になったときにモノづくりの仕事に進んでくれたらいいなと思います。

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