鉄砲玉もはじき返せる?「日本刀」の基礎知識 ブーム到来!「超絶エピソードから弱点」まで
今回も「日本刀」についてよく受ける質問に答える形で、「基本事項」を解説しましょう。
「刀と剣」は何が違う?刀はいつごろ普及した?
Q1. なぜいま「刀ブーム」なのですか?
そもそものきっかけは、昨年(2015年)の春にリリースされたゲーム「刀剣乱舞 -ONLINE-」の大ヒットです。ゲームを通して刀剣に関心をもったプレーヤーが「より専門知識を得よう」と、書籍を購入したり展示に足を運んだりするケースが増えています。
そんな人たちのほとんどが、これまでの刀剣愛好家層にいなかった「若い女性」だったことも話題に拍車を掛けたのでしょう。
Q2. 基本的なことですが、「剣と刀」は何が違うんですか?
剣は「刀身の両方に刃がついている」ためどちらでも切れるのに対し、刀は「刀身の片方にしか刃がない」。これが一番大きな違いです。
この構造の違いから、剣は「突く」、刀は「引き切る」に特化しており、その特徴を生かすために、剣は「一般的に薄刃で比較的軽量」に、刀は「刃のない側を厚くし重量感を持たせる形」になっています。
また扱い方についても、剣は「相手の急所をピンポイントで狙い突く」高い技量が必要ですが、刀は「重さを利用し相手を打つように切りつける」ため剣よりも容易です。
Q3.「刀」には、どんな種類があるのですか?
武士が腰につけている刀には、主に「太刀(たち)」と「刀(打刀・うちがたな)」「脇差」があります。
「太刀」は長めで、刃がついた部分を「下」にして腰から吊るして携行します。時代劇の武者たちの鎧(よろい)姿を思い浮かべてみてください。
一方、「刀(打刀)」は、太刀より短めで反り(カーブ)も少なく、刃がついた部分を「上」にして帯に差して携行します。江戸時代の武士が腰に差していたのがこちらです。ちなみに江戸時代の武士が二本差している短いほうのもう一本を「脇差」といい、長さは2尺(60cm)未満でした。
Q4.日本では昔から「刀」が使われていたのですか?
最初、日本でも一般的に用いられていたのは「剣」でした。しかし7世紀以降、強大な力を持った蝦夷族との長く激しい戦いを経る中、高い技量を必要としない、扱いやすい「刀」が一般の兵士に普及していきました。
Q5. 日本刀の注目すべき特徴は?
「切れ味」こそ、日本刀最大の特徴でしょう。本物の日本刀を振ってみると、テレビや映画で見かけるチャンバラのイメージとは違い、意外に重量感があるため頭上から振り下ろしたら途中で止まりません。うまく振り下ろさないと、誤って自分の足を切ってしまうこともあったようです。
Q6. 「日本刀の魅力」はいったい何ですか?
もちろん人によってさまざまですが、「日本刀の魅力」は、つまるところ「3つの点」に集約されると思います。
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