鉄砲玉もはじき返せる?「日本刀」の基礎知識 ブーム到来!「超絶エピソードから弱点」まで

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Q12. 日本刀はどこに行けば見られますか? おすすめの博物館は?

気軽に鑑賞を楽しみたい方は、東京国立博物館(東京都)、刀剣博物館(東京都)、備前長船刀剣博物館(岡山県)などがオススメです。

また、備前長船日本刀傳習所(岡山県)では、職人の手によって日本刀ができあがるまでの製作工程を見学できます。

さらに、「実際に日本刀をつくってみたい!」という人のために、備前長船刀剣博物館梅林刀剣鍛錬所(神奈川県)など、素人の私たちが本物の鍛冶体験ができる場所も増えています。

日本刀も「日本史を知って見る」とより楽しめる

Q13. 日本刀の魅力や歴史はよくわかりました。「現代の我々との接点」は何かありますか?

我々現代人にとって生活必需品でない日本刀は、ほとんど生産されなくなりましたが、そこで培われた高い技術は、「別の形」でいまも継承されています。

キッチンで日常使用する各種包丁をはじめ、アウトドアレジャーで活用するナイフなどは、日本刀の製法そのままに美しい造形と切れ味を堪能できます。関市(岐阜県)、越前市(福井県)、堺市(大阪府)などは、いまも刀鍛冶の伝統を受け継ぐ刃物の産地です。

日本の気候風土、文化習慣の中で「独自」の発展を遂げた日本刀。今日再び脚光を浴びるに至った背景には、長い時間を経て培われた技術の蓄積、そして、いにしえの日本人による飽くなき探究心がありました。

こうした「ほかに類を見ないモノ」を生み出す国、ニッポン。この国がどのようにつくられ、どのように発展を遂げ、現在に続いてきたのか、その秘密の一端は「日本史」の中にあります。

今回の日本刀に限らず、同じくブームになっている「城」や「城跡」、あるいは話題のドラマ『真田丸』なども、「日本史を知ったあとに見る」と、また「違った見え方」がするものです。

単に「美しい」「カッコいい」「面白い」だけでは終わらない、もう一歩踏み込んだ「大人の楽しみ」を、日本史を知ることで味わうことができます。

日本史を学生時代に学ばなかった人も、いまからでも遅くありません。「日本史にまつわる素材」は、生活のいたるところにあふれています。

ぜひ博物館などに足を運び、いま話題の日本刀を目にしながら、「日本史を学び直すきっかけ」にしてみてください。

山岸 良二 歴史家・昭和女子大学講師・東邦大学付属東邦中高等学校非常勤講師

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やまぎし りょうじ / Ryoji Yamagishi

昭和女子大学講師、東邦大学付属東邦中高等学校非常勤講師、習志野市文化財審議会会長。1951年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了。専門は日本考古学。日本考古学協会全国理事を長年、務める。NHKラジオ「教養日本史・原始編」、NHKテレビ「週刊ブックレビュー」、日本テレビ「世界一受けたい授業」出演や全国での講演等で考古学の啓蒙に努め、近年は地元習志野市に縁の「日本騎兵の父・秋山好古大将」関係の講演も多い。『新版 入門者のための考古学教室』『日本考古学の現在』(共に、同成社)、『日曜日の考古学』(東京堂出版)、『古代史の謎はどこまで解けたのか』(PHP新書)など多数の著書がある。

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