ガンダム、40年のヒットは努力の結晶だった バンナムHD田口三昭社長が秘訣を語る
──グループ全体で見ると、2015年度からアジア展開に力を入れている。
理由はわからないが、日本で売れるキャラクターはアジアでも売れる。国によって多少の温度差はあるが、仮面ライダーやスーパー戦隊、プリキュアなどは日本とほぼ同様の反響を得ている。時間差は多少あっても、似たビジネスモデルをアジアで複製化することが基本戦略になる。
これからは現地で手に取りやすいリーズナブルな商品を作りたい。たとえば仮面ライダーの「変身ベルト」は、音を1種類程度に絞ることで価格を抑えている。ライダーの気分を味わえるようにすれば、ユーザーは反応してくれる。
日本の商品と現地の汎用品を見比べて、「これ、違うんじゃないの?」と感じる人もいるだろうが、高い商品だけをそろえるのも違うと思う。現地の人に優しいやり方でマーケティングを変えていきたい。
──欧米市場はどんな状況か?
かつて「パワーレンジャー」が現地で大ブレークしたときは、海外の方が利益を出している時代もあった。しかし足元は苦戦している。持続可能性の高いIPを複数用意しようと考えており、米ディズニーとのアライアンスも1つの流れ。それ以外のローカルなIPもライセンサーに預けてもらうよう働きかけをしている。今は複数のキャラクターを準備中で、少しずつ整ってきている。
バンダイナムコらしさとは?
──バンダイナムコHDやタカラトミーもそうだが、数年前から日本の玩具メーカーがディズニー版権の商品を増やしている。
ディズニーがワールドワイドに展開する際、当然だがアジア地域もターゲットに入る。玩具やゲームを展開する上で、東洋人にウケるアレンジを当社やタカラトミーさんが持っていると思われているのかもしれない。
大手玩具メーカーのマテル社やハズブロ社とは違う料理の仕方をするので、一緒にやると新しいものが生み出せるかもしれないと、先方も興味を持たれていると理解している。
グローバル展開が本格的になった最初の作品は、2014年公開の「Big Hero 6(ビック・ヒーロー・シックス)」(邦題「ベイマックス」)だった。商品やマーケティングなどを自社の販売網で展開できるから、スピード感も出るし情報を即時にディズニーへレスポンスできる。十分ではなかったかもしれないが、バンダイナムコらしい展開ができた。
──バンダイナムコらしいとは?
難しいことではない。変形や変身する玩具を常日頃から作っており、ディズニー社の商品にも取り入れた。「ディズニーのこの作品で変形しなくてもいいでしょう」と言われるかしれないが、当社は「このキャラクターが変身したら、こうでしょう」と変形させてしまう。
売れたり売れなかったりだが、ユーザーもおもしろがって買ってくれている。他社にない“味”として期待されているのかもしれない。
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