ガンダム、40年のヒットは努力の結晶だった バンナムHD田口三昭社長が秘訣を語る
──妖怪ウォッチは2014年度の関連売上高552億円から、2015年度は329億円に落ち込んでいる。
初年度で500億円はすごい。この10年来なかったことだ。ベルトや時計といった装着する玩具は当社でも開発していたし、召還したり変身するというギミックもあった。にもかかわらず、レベルファイブ(制作元のゲームソフト会社)さんから提案されるまで思いつかなかったというのは、ちょっと忸怩たる思いがある。
妖怪ウォッチは作品自体が本当に面白くて、笑いの本質がわかっている人が作っている。鉄板のうんこネタなどもあるが、それだけでは長続きしない。ボキャブラリーが豊富で、毎回テーマを変えるのはさすがと言うしかない。小学生はあれくらいレベルの高い笑いのツボを押さないと反応してくれない。
──新しいキャラクターを生み出すのは簡単なことではない。
たとえば「ラブライブ!」はすごかった。何もないところから6年がかりで作り上げた。担当者からは「これ以上のものはできないと思います」と言われてしまっている。
(※「ラブライブ!」とは、本格的なアイドルを目指す女子高生達の姿を描いた、アニメを中心とするメディアミックスコンテンツ。それぞれのキャラクターを演じる声優が実際の役でライブを披露したりする)
いつ人気が沸騰するのかは、わからない
うちの息子もラブライバー(ラブライブ!の熱心なファン)になってしまい、大丈夫かなと思うほどだった。記者さんにも隠れラブライバーがたくさんいて、有給休暇を取得してイベント取材に来ることもあった(笑)。
それくらいファンと一体になれると、いやらしい言い方だが投資してくれるし、一緒になって世界観を作り上げてくれるのは本当にありがたく、新しい姿だと思う。当社は多様なIP(知的財産)を扱っており、それぞれにプロデューサーやクリエイター、ライセンサーがいる。彼らはお客様と話し合いながらIPを育てており、どのタイミングで人気が出るかは、はかりようがない。
──ラブライブ!は声優たちのライブが人気を集め、昨年末の「NHK紅白歌合戦」にも出演。3月31日と4月1日に東京ドームで行われたファイナルライブでは、2日間で10万人を動員している。
産業会館みたいな場所でライブをスタートさせた頃を考えると、あり得ないことだ。ライブが本格化した時期が、テレビアニメとほぼ同時だった。そこから入場者がグンと増えて、普通のアイドルタレント並みに東京ドームを満杯にするようになるとは驚きだ。
ファイナルライブは、海外でもアジアを中心に10カ国でライブビューイングを行った。その中にはフィリピンなども含まれており、現地のファンがどうやって知ったのか、僕にもわからない。
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