アジアには、民主選挙より独裁が向いてる? 欠如する民主主義のインフラ

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維新と太陽の連合は、薩長連合に幕府の老中が入るようなもの

このように政策の方向としては大いに疑問が残る自民党であるが、“少なくとも他の政党より安定はしている”という寂しい理由で投票の唯一の受け皿になりつつある。自民党内でも立派に政策の揺り戻しが激しかったが、他の政党でさらに輪をかけて政権が不安定なのはなぜだろう。

それは減税をうたって政権を取り、増税を実行した民主党内の消費税をめぐる大分裂にも見て取れる。1つの政党にかけ離れた政策が混在している理由の1つは、選挙で負けそうな人たちが集まって、1つの箱に政策優先順位がまったく異なる人たちが殺到しているからだ。

結果的に政策では一部共感できても、駄目な政策や駄目な議員と一緒になって、イタダケないバンドル販売になってしまっている。さらに彼らはいったん議員のバッジを確保したら政党の結束などそっちのけで政争に走り、政策論議が進まない。

維新の会に、たちあがれ日本の人たちが参加したことで、その政策の是非はともかくとして、双方の支持母体が投票の受け皿を失った。これは薩長維新政府に江戸幕府の老中が大挙して押し寄せたようなものである。選挙後の党内西南戦争の勃発が目に見えており、この連携で得をするのは自民党だけである(それが“太陽”の狙いで“たちあがれ”を維新にポイズンピルしたのなら、その意味では大成功になるだろうが)。

日本ほどの超大国にして、多くの有権者が投票したい政党がなくて困っているのは、民主主義がいかに退行してしまったかを意味する。民主党政権下の最大の失策は、マニフェストは守られないという確信を有権者に与えたことと、政治家としての包容力とリーダーシップの極端な不足だ。それが自身の首を絞め少数政党に転落して自分が困るだけでなく、有権者の政権選択という受け皿をなくして民主主義を大きく後退させてしまった。

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