ゴーゴー世代のラストウォー 「パーソナルコンピュータ革命」の最終章

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米国におけるパーソナルコンピュータ革命は、日本でも完全に同期している。初期のマイクロソフト発展を極東から支えた西和彦(56年2月~)、古川享(54年7月~)、成毛眞(55年9月~)がちょうど55世代だ。学術系ではJUNETを作り出した慶応大学の村井純(55年3月~)がいる。

やや若いが、アスキーから分派しインプレスを創業した塚本慶一郎(57年1月~)、ソフトバンクを率いる孫正義(57年8月~)も20代からパーソナルコンピュータ革命を代表するベンチャー経営者として活躍していた。

ちなみに今回の総選挙をみると、2度目の首相職を狙う自民党総裁の安倍晋三が1954年9月生まれ。芸能界には松任谷由美(54年1月~)、桑田佳祐(56年2月~)がおり、The Alfeeのメンバー3人もみな54年度生まれだ。先日惜しまれつつ亡くなった18代目中村勘三郎も55年5月生まれ。「ゴーゴー!」と踊り続ける郷ひろみも55年生まれである。なんとも個性的な世代なのである。

がんばれバルマー!

さて。10月26日に発売した最新OS「ウィンドウズ8」を契機に、マイクロソフトはアップルやグーグルに引きずり下ろされたIT業界における盟主の座を奪還しようと、必死の戦いを始めている。

その戦いのリーダーは2000年から最高経営責任者を務めるバルマーだ。マイクロソフトのゲイツ、グーグルのシュミットなど同世代のライバルは、もうほとんどが経営の第一線から退いた。ジョブズのように鬼籍に入ったカリスマもいる。そんな中、巨躯のバルマーは経営の最前線で戦い続けている。その孤軍奮闘の様子をみるにつけ、「がんばれ!」と声を掛けてしまいたくなる。

パーソナルコンピュータ革命を引っ張ってきたゴーゴー世代の戦いは、最終章に入った。もしウィンドウズ8をもってしても、アップルによるタブレット支配を打ち破れず、コンシューマデバイスにおける覇権を取り戻せないのだとすれば、株主からの退任圧力は高まるだろう。それだけに、バルマーは必死に違いない。

最後に、繰り返し宣伝。書店で、週刊東洋経済臨時増刊「マイクロソフト・逆襲のシナリオ」を見かけましたら、お手にとってパラパラッとめくってみてください。どうぞよろしくおねがいします!

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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