絶好調続くREIT相場は、年内に必ず下落する マイナス金利幅拡大でも上昇余地は限定的

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前述のとおり、投資家は常連が多数を占め、株式市場のように新規参入組が多くはないので、短期の相場変動に踊らされない。長期保有の配当益を相殺してしまうような含み損が発生することは避けるために、現在のような過度な上昇局面では慎重な対応になる傾向がある。

以上のような背景もあり、REIT相場は1900ポイント水準を天井とした動きになっていて、一部で期待されているような2000ポイントを超えて大きく上昇することにはならないというのが常識的な見方になる。

では、日銀がさらにマイナス金利幅を拡大した場合はどうなるのか。

REIT相場は伝統的に長期国債利回りを先行指標としてきたが、一時的には、日経平均株価に連動した時期もあるなど、つねに一定しているわけではない。つまり前述のような投資家の行動形態分析を考慮すれば、現在のREITの投資口価格の形成根拠は長期国債利回りを先行指標としていないという見方も成り立つのだ。

無理してここから上値を追う必要はない

今回のREIT相場の上昇は、外国法人と証券会社自己取引による大幅買い越しによって引き起こされており、今後のカギを握るのは外国法人の動向次第と考える。

結論から言うと、外国法人は日本の長期国債ではなく、米国10年債の利回りを基準として日本のREITを見ている節がある。この見方に立てば、マイナス金利幅が拡大しても東証REIT指数の上限は、米国10年債利回り1.8%+スプレッド最小値1.5%(米国REITのスプレッド)=3.3%の期待利回りで計算して、2150ポイント程度になる。

相場は天井に達すれば戻る。現在の1900ポイント水準というのは、短期売買で無理しなくてよい水準である。もう少しはこの状態が続きそうだが、いずれにせよ年内には調整局面が訪れるのは確実な見通しだ。今の相場は保守的に見るのがREIT投資のポイントといえる。

山崎 成人 REITアナリスト

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1949年生まれ。1971年慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、三菱開発(株)入社。三菱商事(株)、三菱地所住宅販売(株)、(株)ダイヤコミュニティー等を経て三菱地所住宅販売(株)に復職。札幌支店長、業務部長、情報システム室長を歴任した後99年に退社。2000年不動産投資顧問業に登録。日本初のREITアナリスト

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