注目の米国利上げは6月?それとも7月? 日経平均6月相場は14勝6敗で勝ち越し中
東京株式市場は例年の夏枯れ期間(売買高が減少する期間)を前に早くも売買代金が低迷。東証1部の売買代金は8日連続(5月30日現在)で2兆円割れとなりました。伊勢志摩での主要7カ国(G7)首脳会議が無事終了したあとも、売買を手控えるイベントがたくさん予定されていることが要因です。
国内の経済指標では、6月1日に1-3月期の法人企業統計が発表されます。特に設備投資の項目は、意外感のあった1-3月期の実質GDP(速報値)の改定要因として重要性が高い。足元、予想以上に強い国内の経済指標結果が続いており、市場参加者の注目度も高まっています。設備投資が予想を上回れば、日銀によるマイナス金利幅拡大などの追加金融緩和策への思惑が一段と後退し、マイナス金利導入で叩き売られた銀行株や保険株などへ買い戻しぐらいは入るでしょう。
結果が気になる経済指標とイベント
6月1日といえば、中国5月製造業PMIや米5月ISM製造業景況指数の結果も気掛かり。米5月ISM製造業景況指数が3カ月ぶりに景気判断の分かれ目となる50を割り込むなど景気減速感を示す内容となれば、直近の高値に近づいているダウ平均やS&P500が下落し、日本株も連れ安となる可能性が高い。逆に、3月の51.8を上回るようなポジティブな結果で着地できれば、最近上昇してきた米長期金利のさらなる上昇を通じてドル高・円安になり、電機株や自動車株(今期業績のベースとなる為替前提を1ドル=110円より円高に設定した企業)には追い風になるでしょう。
日本の国債利回りにも上昇圧力がかかり、銀行株や保険株にも好影響が予想されます。大きなイベントが多い中、普段よりも注目度が低下している可能性が高いため、結果次第では株価には大きなインパクトになるかもしれません。
6月2日にはECB定例理事会(ドラギ総裁会見)やOPEC定例総会があります。OPEC定例総会では増産凍結合意なしを織り込んでいる雰囲気は高いですが、前回ご案内のように、近年は6月から原油価格は下げるアノマリーがあります。足元、NY原油先物は少し高値警戒感が強まっている状況だけに、総会後に下落すれば米国株は調整するでしょう。
6月3日は米国の5月雇用統計が発表されます。6月14-15日に開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ判断に重要なポイントとなります。5月の非農業部門雇用者数は16万人程度の増加が予想されています。4月も16万人の増加にとどまりました。雇用者の7割を占める民間サービス業の伸びが低かったためです。今年に入ってから4月までの平均は19.2万人の増加ペース。5月に23万人以上増えると平均20万人をクリアすることになり、6月のFOMCでの利上げはほぼ確実になってくる。予想の16万人を大幅に上回るケースもそうでしょう。
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