キンドルは「1冊99円」が面白い 読書の達人・成毛眞が語る、電子書籍の活用法

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――フェイスブック上で「大学生の講義ノートもビジネスになる」とアイデアを披露していました。本気でおっしゃっているんでしょうか?

きわめてまじめな話です。大学生の授業や試験は、ほぼ毎年同じ内容が繰り返されるものです。昔から、きれいにつくられた講義ノートをコピー屋に行って、コピーすることが繰り返されてきました。これからはキンドル版で売ればいい。もちろん200人とか300人いるような大きな授業でなければダメですが、学生にとっては小遣い稼ぎにもなります。誰が元締めになるかといえば、苦しくなっている大学のそばのコピー屋が始めればいいでしょうね。

「マンガだけを読む所得階層の低い層」はキンドルを買わない

――「本離れ」「活字離れ」と言われて久しい。電子書籍を引っ張るのも結局はマンガ、という見方もあります。

日本人で活字の本を読んでいる人は、人口のざっと3割です。ものすごく読む人とほんの少ししか読まない人を合わせても3000万人強というイメージだと思います。これがキンドルによって増えるということはありません。 

これは、差別的な意味で言っているわけではなく、「本を読むか読まないか」というのはほぼ所得の大小に比例しており、比較的所得の多い人が本を買っています。これは厳然たる事実です。

「キンドルがあるから、これまで本を読まなかった人が読むようになる」ということはありえません。マンガだけを読んでいるような所得階層の低い層がキンドルを買うというのもちょっと考えにくいです。

――書評サイト「HONZ」とアマゾンの連携も検討しているとか。

HONZは自己啓発書やIT専門書を除く、ノンフィクションのための書評サイトです。HONZのメンバーが紹介したことがきっかけで、ベストセラーになる本もたくさんあります。アマゾンへのリンクが張ってあるため、アフィリエイト(成功報酬型広告)収入が得られる。これが結構、ばかにならない金額です。収入は100%、書評を書いた本人が得られるので、メンバーの中には専業で書評をはじめようと真剣に考えている人もいるくらいです。

ただ悩ましかったのがHONZで紹介した途端にアマゾンで品切れになってしまうこと。もともとベストセラーを紹介しているわけではないので、在庫が数冊しかないという場合もあり、どうしてもそうなってしまいます。その点をなんとかならないかという検討を始めたところです。

(撮影:梅谷秀司)

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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