日立製“ガンダム”、福島原発向け投入へ 遠隔操作で双腕を縦横無尽

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2本の腕で複雑な作業もできる

コンセプトは主に3つ。1点目は幅980ミリメートル、高さ1500ミリメートルのコンパクト設計で、建屋内の狭い通路も走行できる。レーザー距離計でロボットと作業対象物の距離を確認できるほか、線量計や温度計、湿度計などを搭載。6台のカメラで現場の状況も目視できるようになっている。

実際の操作は、遠隔から「操作盤」を使って運転操作員が行う。無線接続のため100メートル以内に操作盤を設置する必要があり、司令塔での利用を想定している。

アームの先端は自動で取り替え可能。左が切断具、右がつかみ具

2点目は、2本のアームだ。それぞれ最大で約150キログラムの重量物を扱える。1本でモノをつかみ、もう片方で配管などを切断するといった複雑な作業にも対応。切断具や回転具などさまざまな先端ツールを用意し、遠隔で自動交換ができる。アームにもカメラを搭載し、高所の状態も測定できるようにした。

3点目は、過酷な環境で作業できるパワーだ。20リットルの軽油で15時間の連続使用が可能。8センチメートル程度の段差なら乗り越えられる。100ミリシーベルト程度の放射線量の環境下なら問題ないという。

同様の遠隔操作できるロボットは東芝と三菱重工業もすでに発表済みだが、それぞれ特徴が異なる。ASTACO-SoRaに関しては、「オペレーティングにかかる時間を短縮したい」(関上氏)というのが今後の改良のポイントだ。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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