三菱重工と日立の本気 火力事業を統合、相乗効果で世界へ挑む
海外で戦ううえで、今回の事業統合効果は大きい。大規模なガス火力発電所で使用する大型ガスタービンは技術難度が高く、製造できるメーカーはGE、シーメンス、三菱重工、仏アルストムの4社のみ。三菱重工の世界シェアは2割弱で3番手に位置する。一方、日立は三菱重工が手掛けていない小規模発電所向けの中小型ガスタービンを自社で生産するほか、電気・情報系の運転制御技術を得意とする。
さらなる事業統合も
「新興国では幅広いサイズの電源ニーズがあり、双方にとって、統合で提案ツールが広がることは大きなメリット」(大和証券の田井宏介・機械担当アナリスト)。また、三菱重工は東南アジアや中東、北米、日立は欧州、アフリカでの実績が多く、地域的な補完効果も働く。
三菱重工と日立は、これまでも製鉄機械や水力発電設備の事業を統合するなど、友好的な関係を築いてきた。実現には至らなかったものの、昨年夏には両社の経営統合も報じられた。それから1年半近くを経て飛び出した今回の大型事業統合。
大宮社長は会社全体の経営統合については「それはありません」と明確に否定したものの、「相乗効果が出るものがあれば、個々の事業として検討していく」と言った。新会社の成果次第で、さらなる事業統合へと進むことになりそうだ。
(撮影:山内信也)
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