現地ルポ!北朝鮮「経済5カ年戦略」の現場 「自主」「主体」謳う独自路線の成否は?
5月6日から9日まで、36年ぶりとなる朝鮮労働党党大会を開催した北朝鮮。党大会で「総括報告」を行った金正恩・朝鮮労働党委員長は、従来から主張していた「経済建設と核武力建設の併進路線」を再度確認し、「社会主義経済」の下、経済成長達成への強い意志を見せた。
そのなかで、金党委員長は「国家経済発展5カ年戦略」(5カ年戦略)に言及した。金党委員長の説明では、2016年から2020年までに人民経済を活性化させ、経済各部門のバランスある成長を果たし、国の経済を持続的に発展させる土台をつくるための戦略と説明した。
具体的には「党の新たな併進路線(経済建設と核武力建設の併進)を堅持し、エネルギー問題を解決しながら、人民経済の先行部門(電力、石炭、金属、鉄道運輸部門)、基礎工業部門(主に機械工業)を正常軌道に乗せ、農業と軽工業生産を増やし、人民生活を決定的に向上させるべき」と言う。
国産の原料や設備で生産性を上げることが課題
では北朝鮮の経済現場で、この5カ年戦略はどのように受けとめられているのか。
「2020年までの5カ年戦略の目標を、2018年までになんとしてでも達成し、終了させたい」と言うのは、平壌市の金正淑(キム・ジョンスク)平壌紡績工場第1機織職場で働く白松(ペク・ソン)さん(20)。同工場は、故・金日成主席の夫人の名前がつけられていることからわかる通り、北朝鮮を代表する紡績工場だ。金党委員長や朴奉珠(パク・ポンジュ)首相など要人もよく訪れる工場の一つだ。
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