世界屈指のバイク大国に殴り込むジャックス ベトナムの次はインドネシア

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ジャカルタ市内の通勤風景。4輪車の渋滞の間を2輪車が走り抜ける

インドネシアでの2輪車販売台数のうち、ローン付きの販売は7割に達するという。ローンを付けるホンダ車はインドネシアで推計シェア5割を占めるトップブランドという点も、参入を決めたジャックスにとっては心強い。SAF社はそのうち、年間9万件のバイクローン取り扱いの実績がある。

まだ規模は小さいが、SAF社の有力親会社であるMPM社と協力し、日本国内やベトナムで手掛けたジャックス得意のバイクローンのノウハウを生かせば、インドネシアの事業をベトナム以上に大きく伸ばせる、というのがジャックスの読みだ。

株買い増し子会社化も

ジャックスはSAF社に対して、役員の派遣と40%の出資からスタートするが、状況を見ながら株を買い増し、さらには子会社化の可能性にも含みを持たせている。それだけインドネシア事業の強化への意欲は旺盛といえる。

今回のインドネシアでのバイクローン事業参入が、今期・来期の短期で、ジャックスの収益にどのように寄与するのかはまだ未定。ただちには、大きな収益レベルとはなりえないが、中長期的な収益寄与ポテンシャルはベトナム以上に大きいと言えるだけに、その進捗具合には注目だ。

大西 富士男 東洋経済 記者

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おおにし ふじお / Fujio Onishi

医薬品業界を担当。自動車メーカーを経て、1990年東洋経済新報社入社。『会社四季報』『週刊東洋経済』編集部、ゼネコン、自動車、保険、繊維、商社、石油エネルギーなどの業界担当を歴任。

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