外国人が見限った市場で勝つ投資戦略とは?

安倍政権はこの先も「第三の矢」を放てない

長期的に見れば「日本経済の回復」はもはや「夢物語」かもしれない(写真:日刊スポーツ/アフロ)
サミット後の日本株はどうなるのだろうか。日経平均株価はようやく浮上のきっかけをつかんでいるようにも見えるが、外国人投資家は、日本株を本当に買ってくれるのだろうか。また個人投資家はどう対処したらよいのか。三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資情報部長の藤戸則弘氏に聞いた。

世界のマーケット情勢を見ると、2月11日に米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が議会で「FRBは利上げに慎重な姿勢で臨む」と証言してから、世界的にリスクオン状態になり、売り込まれてきた原油や資源、そして資源国の株価が上昇した。中国の景気悪化が政府の対策によって小康状態となる、もしくはリバウンドするのではないかと考えている人もいるが、実態はグローバル経済全体で長期減速の途上にある。

資源も原油価格もすべて投機マネー頼み

それを象徴するのが中国向け輸出の鉄鉱石スポット価格だ。去年12月にトンあたり38ドルをマークしていたのが、4月21日には70ドルを超えるところまで上がった。ところが、内訳を見ると積み上がっているのは港湾在庫ばかり。去年のボトムで7000万トンだった在庫が5月6日には9000万トンを超えた。つまり、この価格上昇は投機目的によるもので、中国の減速が止まったわけではない。実際、バブルを避けるべく中国当局が規制をかけたことで鉄鉱石は2割以上急落した。

原油価格も楽観できない。WTI原油先物の価格はある程度戻ったが、主な産油国サイドの4月の供給状況を見ると、ロシアが日量1080万バレルで、ソ連崩壊後の最高水準だ。サウジも1020万バレルと3月よりも増えている。アメリカはシェールオイルが徐々に減産しているものの、880万バレルはある。この3つの地域を足すだけで3000万バレルもある。

加えて、経済制裁で一時は280万バレルまで落ちていたイランが、3月、4月と大増産して350万バレルまで増やしている。制裁前は400万バレルだったので、イランとしてはとにかくその水準まで戻して外貨を獲得したいと考えているだろう。あの疲弊した経済を救うためには原油増産しかない。産油国が足並みをそろえて増産凍結をしようとしているが、この国を巻き込んでの凍結は極めて難しい話だ。

イラクも、2つの大戦争を経験して油田が崩壊したが、アメリカの技術を導入したことで今はコンスタントに400万バレルを超えるようになっている。しかも、北部の一部がイスラム国に占領されていてこの生産量だ。つまり、産油量はOPEC全体で増えている。

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