東南アジアは大幅な経常黒字であり、現在のようなリスクオフ相場で投資が縮小している局面においても、安定して経済が成長する原動力となっています。政府債務は、先進国より新興国の方が全体的に少ない傾向ですが、東南アジアの債務残高は新興国の中でも低いレベルとなっています。
日本とのかかわりの深さも魅力
東南アジアが経常黒字で政府債務が少ないことから、政府債務を国外投資家が支えていた構図が不安の高まりから一気に崩れるという、欧州危機のような金融危機が発生するリスクも極めて低いと言えます。
事業環境は、世界銀行が出しているビジネス環境ランキングと、政府や官僚の腐敗度を示した腐敗認識指数を用いましたが、東南アジアの評価は高くありません。
ただ、この全体平均が低くなった要因として、カンボジア・ラオス・フィリピンの3カ国の低い評価が足を引っ張ったことが大きく、例えばシンガポールはビジネス環境ランキングで世界1位、腐敗認識指数で世界5位と、構成国間で大きな差があります。
そして、日本との交流の深さでは、東南アジアが抜きんでています。日本との貿易額(輸出額+輸入額)がそれぞれの地域のGDPに占める割合でみると、世界の10地域の中で東南アジアが断トツに高いことはあまり知られていない事実ではないでしょうか。域内の人口に占める日本人の割合も、中国やインドなどアジアの他の国よりもはるかに高くなっています。
このように、経済的な魅力だけではなく、日本とのかかわりの深さからも東南アジアが注目すべきことが分かります。感度の高い起業や個人は、すでにこの事実を踏まえて、事業や生活の拠点を東南アジアに拡大しています。
次回は、東南アジアの構成国間の比較を詳しく行ったうえで、投資対象とすべき国を具体的にあげていきます。
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