新日本プロレスはなぜ一部上場を目指すのか

V字回復を遂げた「企業」の新たな挑戦

ブシロード体制は当初から予想以上の効果をもたらし、新日本プロレスは会社組織としても強くなっていった。だからこそ、中邑は「今ならば自分が抜けても新日本は大丈夫」という確信を得て退団を決めたという経緯があることもここに添えておきたい。

新日本が温める、新たなビジネスプラン

新日本の新しい取り組みとしては、アニメへの進出がある。東映アニメーション創立60周年企画でもある「タイガーマスク」の新作は、舞台が過去ではなく今。新生タイガーマスクは、現在、新日本プロレス所属という設定で、新日本のレスラーが毎週劇中に登場するようになる。

人気アニメの復活によるビジネス効果について、木谷氏に聞いた。

「WWEがいかにして世界中で人気を集めていったのか? それは試合の中継が世界150カ国で見られるような環境を作っていったからです。今回のタイガーマスクには新日本の現役選手がアニメの中に登場します。今度はアニメを通じて新日本プロレスがより多くの人に知られていくことになるでしょう。 その広がりは大きなものだと期待していますね」

テレビ放送が始まれば、ブシロードが番組スポンサーになることも思案中だという。アニメ展開はゲーム会社であるブシロードにとって得意技。自社のノウハウを駆使して新日本プロレスの世界進出を目論むこのアイデアには、世界第2位のプロレス団体である新日本が、世界1位WWEへのほのかなライバル意識を抱いていることが透けて見える。

新日本プロレスは、2014年12月から、有料動画配信サービス「新日本プロレスワールド」を開始して積極的な世界戦略に打って出ていた。

こうした新サービスを展開して順調な成長を遂げながら、さらなる大きな目標を打ち立てている。それは、東京オリンピックが開催される2020年には、売り上げ100億円を目指すプラン。

だが、全てのカギを握るのは、ライブイベントとしての興行の成功であり、さらなる選手層の充実だ。また試合とは別に、選手の知名度をアップさせる広告や宣伝戦略の構築も急務だろう。

有力選手がWWEにヘッドハントされないためにも、日本でも年収が1億円を越えるプレイヤーの誕生が必要と叫ばれている。

「現実的には年間のファイトマネーが7000~8000万でも、いい条件でCM出演などの機会があれば、総額で1億円を越えるのは夢ではない」と木谷氏は言う。

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