トヨタ「4割減益」で試される"攻めの意志"

見栄えは度外視、研究開発費は過去最高へ

では、現時点でのトヨタの真の実力はいったいどの程度なのか。

2017年3月期は、(中国など除く)連結ベースの販売台数で890万台を見込む。これはリーマン前に最高益を記録した2008年3月期とほぼ同水準だ。この期の営業利益2兆2703億円と比べると、2017年3月期の営業益予想は5700億円低い。

円安の追い風なくても収益力は着実に向上

ただ、当時は1ドルが114円、ユーロに至っては162円、豪ドル、ロシアルーブルなども現状より円安だった。為替要因だけでも当時と比較すると、今期は1兆2000億円から1兆4000億円の利益押し下げ要因となる。このことを踏まえると「収益力は当時に比べて7000億円から8000億円押し上げられている」(伊地知隆彦副社長)。

2015年10月に開催された技術説明会で公開された新型プリウスの内部構造

また、トヨタは2011年3月に会社のあるべき姿「グローバルビジョン」を発表。この中で早期に達成すべき強い収益基盤として、1ドル=85円、販売台数(連結ベース)750万台という厳しい経営環境でも1兆円の営業利益を出すという目安を打ち出した。2013年3月期にはおおむねこれを達成した、というのが同社の評価だ。

それ以降の利益拡大は大半が円安で説明が付く。つまり、目標とした収益基盤には到達したが、それ以上の強化はできていないともいえる。とはいえ、2013年3月期以降、研究開発費を2500億円増額し、設備投資も増やしてきた。自動車作りをゼロから見直した「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の推進により、工場設備の刷新も進めている。こうした未来への投資を吸収しながら、グローバルビジョンで掲げた目標を堅持している、と見ることもできる。

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