日本株が下げ渋るラインは3つのうちどれだ

繰り返される1万6000円台をめぐる攻防戦

18日、内閣府は2016年1-3月期GDP速報値を発表する。民間調査機関の試算予測は前期比年率マイナス0.9%~プラス1.2%まで見方が分かれている。うるう年効果の日数増による1.2%程度の押し上げを除くと、ゼロ成長かマイナス成長の可能性も指摘されている。個人消費や輸出などの動きは鈍く、国内景気の基調が弱い状況が続いている。なお、2015年10~12月期GDPはマイナス1.1%だった。仮に2四半期連続でマイナス成長となった場合、景気後退入りへ落ち込むことになる。

ただ、長期的な株価の適正水準の1つとして「時価総額≒GDP」をあげられる。日経平均株価の1万6000円割れは一時的との見方もできる。

その3:安値を結んだサポートラインで下げ渋る

2016年の日経平均株価のチャートでは、2月安値と4月安値を結んだサポートラインがみえてくる。足元の5月安値も同ラインで下げ止まり、下値を切り上げながら緩やかな上昇トレンドが浮かんでくる。しかし、9日の東証1部売買代金は1.7兆円台と今年最低を更新。2015年の一日当たり売買代金の2.5兆円台と比較しても3割も落ち込み、海外投資家を中心に積極的な売買が手控えられているもようだ。

財政出動への期待感が下支え

上場企業の利益の6割強は自動車などの製造業が稼ぐ。2016年度の主要輸出企業の想定為替レートは1ドル=110円前後、1ユーロ=125円前後とみられ、依然として企業業績の下振れリスクがくすぶる。その一方で、2017年3月期の国内企業の業績見通しは全般にやや保守的との見方もある。足元で減益予想を発表した輸出関連企業の一角が小幅に反発するなど、円高抵抗力を感じさせる一面もみえてきた。

2016年に入って日経平均株価は1万6000円割れを3度繰り返しつつも、その後の下げ相場は短期間にとどまっている。テクニカル面からみた下値メドとして、年初来マイナス18.8%水準や時価総額500兆円割れとなる1万5400~1万6000円が意識されているようだ。当面の株式市場は決算発表と為替動向をにらみながら輸出企業の採算悪化を織り込みつつ、徐々に見直し買いが入る展開が想定される。

18日に1-3月期GDPの発表、20~21日に仙台でG7財務相・中央銀行総裁会議、26~27日にG7伊勢志摩サミットが開催される。仮にGDP統計が大きく悪化した場合でも、新たな補正予算編成の可能性が高まることや、サミットに向けて政府が機動的な財政出動を打ち出すとの期待感が下支えするだろう。

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