「天才」トランプ氏に学ぶ、強い言葉の作り方 言葉を「強く、面白く」する5つのポイント

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たとえばミシュランはタイヤメーカーですが、「タイヤの理想の使われ方」を大きいスケールでとらえたら車で美味しいお店に行くことだろうと考え、ミシュランガイドが生まれました。

仕事やコミュニケーションで物事を考えるときは、「極端にスケールを大きく」考える癖をつけましょう。そうすることで、現状にとらわれない新しい世界が見えてくる可能性があります。

ポイント5.最も過激なビジョンを述べる

「日本は自分の身は自分で守るべきだ。日本が核兵器を持つほうがいい」。

日本の核保有を示唆したトランプ氏のこの発言は、アメリカ国内も日本もざわつかせ、一時期ニュースになる程の影響を見せました。のちにアメリカ政府から「日本の核保有を容認するものではない」というコメントが出たほどです。

トランプ氏はこの発言の際「米国は財政赤字を抱え、他国を守る余裕がない。日米安保は負担だ」とも述べました。このように「自己中心的な理想像」の発言は多くの敵をつくると同時に、多くの味方をも生み出すのです。

「炎上上等」で考えてからクールダウンさせる

以上、コミュニケーションを過激にして印象に残す5つの方法、いかがでしたでしょうか。

本記事は決して、トランプ氏の発言を肯定するものではありません。しかし、炎上させるくらい過激に考えるということは、脳のリミッターを外すという点においては非常に重要です。

炎上を恐れずに考えてみて、そこからクールダウンさせれば、ちょうど良い塩梅のインパクトのある言葉を見つけることができるはずです。自分の文章やコミュニケーションが「何か普通だな、真面目だな、つまらないな」という壁に突きあたったら、ぜひトライしてみてください。

内田 伸哉 Yahoo!ブランドマネジメント室室長

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うちだ しんや / Shinya Uchida

Yahoo!ブランドマネジメント室室長。慶應義塾大学大学院理工学部卒業。大学院では、信号処理やプログラムを研究。国際学会での論文発表を通じて「言葉こそが人を動かすプログラム言語」だと強く感じ、方向性を180度転換。電通に文系就職。小学生時代から、語学関連の成績はつねに赤点評価だったが、過去30年分の広告やキャッチコピーを1年かけて研究し、コピーライターとなる。現在はヤフーで言葉を中心とした企業のコミュニケーション・ブランディングに従事。

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