ノーベル賞は効果限定、タカラバイオの業績 iPS関連の筆頭銘柄の実力
今期は計画どおり微増益どまり
これに伴い会社側は期初計画の通期売上高目標211億円を引き下げた。営業利益は据え置きだが、これは遺伝子工学研究が、売り上げ未達でも利益面ではほぼ期初計画並みを確保できそうなため。医食品バイオについては収支トントンを見込んでいたのが、キノコ単価下落を折りこんで赤字が2.4億円と前期並みに止まるが、遺伝子医療は研究開発費用負担が期初見込みよりも少なくなることから、赤字額が同額程度減って相殺される、との算段だ。
なお、通期純利益は期初計画11億円から2億円増額の13億円(前期比27.1%増)となりそう。10月1日付で退職一時金制度の一部を確定拠出年金制度に移行したことに伴い、特別利益3.4億円を計上することによる。
タカラバイオの研究開発費は、遺伝子医療を中心に前12年3月期が26.5億円、今期は30.8億円と増えている。その執行が予定通り進むか、遅れるかによって通期業績も振幅する。ただ、収益柱である遺伝子工学研究が堅調なことに加え、現時点では、遺伝子医療事業をはじめとして、研究開発費が期初想定よりも縮まりそう。今回の会社による修正計画程度の利益は達成可能、と東洋経済は見ている。
とはいえ、「ノーベル賞効果」がタカラバイオに波及するにはもう少し時間がかかるということを再認識させた、中間決算発表と通期業績見通し修正だったといえそうだ。
(撮影: 梅谷 秀司)
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