1ドル一時106円台突入、5月は波乱相場へ 外国人もついに日本株を「見放した」?

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実は、市場の混乱度合いを図る上で重要な指標となっている、日経ボラティリティ・インデックス(VI、ボラティリティとは変動のこと)は28日、27ポイント台と前日比では5%ほど低下している。円高に振れたのに、なぜ日経VIはいったん低下したのだろうか。同指数は、米国のVIX指数同様、「恐怖指数」とも呼ばれているものだが、先行き警戒感が高まると上昇する性質を持つ。この日経VIが28日に低下した要因として、市場の不透明要因だった日銀会合というイベントを通過したことが挙げられる。

「恐怖指数」は再び「要警戒水域」へ

ボラティリティの動向を見る限り「市場はさほど悲観的には見ていないのではないか?」と思いたいところだが、日経VIは、29日については、休日なのでもちろん算出されていない。円建てCME先物で1万6000円台の攻防を迎えていることやドル円が107円台を割り込んだことは全く織り込まれていないのだ。週明け、月替わりになる2日の日経VIは、株安・円高を受けて警戒水準である30ポイント台まで上昇する公算が大きい。

こうしたボラティリティの上昇は、先物中心の短期投資筋による、株価の乱高下を誘発することが多々ある。一方、海外の年金など腰を据えてじっくり運用する長期資金は、ボラティリティ上昇を理由に投資を手控えるケースが多い。

つまり「ボラティリティ上昇=先行きが不透明で何が起こるかわからない」といった構図になることで投資家が及び腰となるわけだ。一度ボラティリティが上昇すると短期的な値幅で利ザヤを取りに行く投資家によって荒い相場展開となる。一度跳ね上がったボラティリティが低下するには1カ月から最大半年ほどかかることから、仮に日経VIが2月の年初来高値50.24ポイントまで上昇した場合、日経平均やTOPIX、TOPIXコア30銘柄などの大型株の調整局面は夏くらいまで続く可能性もある。4月にようやく日本株買いで動き出した外国人投資家は、再び日本株への興味を失うと見ておいたほうが良さそうだ。

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