共産党小池氏「野党共闘で参院選勝利見えた」 「野合」しているのは自民・公明のほうだ

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有馬:もし野党連合が政権を取った場合には、どうなるのですか?また共産党が新政権で閣内に入る可能性はあるのですか。

小池:このたたかいは戦争法を廃止して立憲主義という秩序を取り戻すためのものなので、その性格は暫定的なものです。現在、民進党以外の野党とは、「原発再稼働をやめる」「消費増税の中止」「格差是正」「沖縄の辺野古新基地反対」などでも一致しています。ぜひ民進党も含めて共通政策をつくっていきたい。政権を取ったら一定期間政権運営をしますが、戦争法を廃止した後は、もう一度解散、総選挙を実施して、国民に信を問う形になるでしょう。

また、閣内に入ることが目的ではありませんので、それを選挙協力の条件にはしていませんが、否定もしません。政権を取って閣内に入ることで、筋の通った政策対応をしやすくなるのは事実ですね。

有馬:お話を伺っていると、共産党もかなり現実路線に踏み出した印象を受けますが、やはり国民の要請に応じて、共産党も現実路線に変わりつつある、ということなのでしょうか。

小池:例えば憲法解釈にしても、自衛隊は、現行の憲法下では矛盾している存在ですが、条文に矛盾があったとしても、それは自民政治が起こした矛盾だという認識です。しかし、矛盾があるからこそ、海外派兵などからの歯止めになってきた。共産党は以前から自衛隊が違憲だから何もできないといってきたわけではなく、これまでも共産党は現実に即して、憲法の範囲内でできることは可能だといってきたわけですし、現行の憲法の全条項を守り抜くという立場です。

むしろ、共産党が変わったというよりは、安倍政権の暴走がひどすぎ、これを放置しておくことはできないのです。共産党の政策を放棄するものではないのですが、それを保留してでも止める、ということです。

国民にポジティブなメッセージを発信したい

有馬 晴海(ありま はるみ)/政治評論家。1958年、長崎県佐世保市生まれ。立教大学経済学部卒。リクルート社勤務などを経て、国会議員秘書となる。1996年より評論家として独立、政界に豊富な人脈を持ち、長年にわたる永田町取材の経験に基づく、優れた分析力と歯切れのよさには定評。政策立案能力のある国会議員と意見交換しながら政治問題に取り組む一方、政治の勉強会「隗始(かいし)塾」を主宰、国民にわかりやすい政治を実践

有馬:その意味で、より幅広い支持を得るには、さきほども共通政策の話が出たように、憲法を守るだけでなく、他の政策でも「野党共闘」の必要がありますね。

小池:やはり経済の問題ですね。異次元の金融緩和に代表されるアベノミクス政策や、消費税の8%への増税実施などで日本経済は失速しています。

根本にあるのは、大企業や富裕層からのいわゆる「トリクルダウン」(富がしたたり落ちること)が破たんしていることです。

われわれの目標は公正な社会をつくることです。米民主党の大統領候補であるサンダース上院議員や、英労働党のコービン党首などが最低賃金の大幅引き上げをはじめとして公正な分配に重きを置いた政策を主張、先進国で支持を得ているのは、決して偶然ではありません。

安倍首相はまずは成長ありきだというが、成長の果実が行き届くまで何年かかるのか。私たちは再分配ありきで、それこそが成長につながるという考え方です。中小企業への抜本的な支援とセットで全国どこでも最低賃金を時給1000円にして、1500円を目指します。1500円だって、標準的な労働時間で年収換算すると270万円程度に過ぎないのです。GDPの約6割は個人消費(家計)なのですから、最低賃金を上げることには大きな意義があります。今のままの貧困と格差の拡大でいいのか。これらの課題克服は、国民にも歓迎してもらえるのではないでしょうか。

有馬:なるほど。しかし民進党もそうですが、「格差是正」だけ訴えかけるのは、強制的なイメージもあるし、言い古された感があります。何か新しいキャッチフレーズのようなものはないのでしょうか?公明党は若者向けにゲームも作りましたよ。

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