仕事で迷ったら、迷わずひとり旅に出よう! 旅が人生と仕事の可能性をぐっと拡げる

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当時、アメーバブログを書籍化するという手法で『鬼嫁日記』などのヒットを飛ばしていた同社で、小林さんも「あたし・主婦の頭の中」という人気ブログの書籍編集者を務めるなどバリバリと働いていたが、2011年12月末に退職。退職当日に羽田空港に向かい、それから1年以上をかけて世界を巡る旅に出た。書籍化の予定もないのに、旅の模様を描いた長大な原稿を書き、それが評価されたのがきっかけで、これまでに著書を5冊出す旅作家になったという異色のキャリアを持つ。

旅行作家という肩書は浮世離れしているように感じるが、バックパッカースタイルのひとり旅でこれまで約50カ国を訪ねてきた小林さんは、「かつてサイバーエージェントで働いていた時よりも、自分に対する自信が持てるようになった」と話す。

「すべてが自分次第」のひとり旅でタフになる

旅は人生を変えると言うけれど、そこまで大げさに考える必要はない(撮影:今井 康一)

小林さんにとって、旅はひとつのプロジェクト。例えば、「東欧で猫の写真を撮る」というテーマを決めたら、あとは予算をもとに何日に出るのか、どうやって行くか、現地での宿泊先、何日間滞在するのか、現地でどう行動するか、あらゆることを自分で決めなくてはならない。現地では計画通りにいかないことなどままあるから、常に瞬間、瞬間の判断が求められる。

「会社を辞めたら、遊んでいるような感覚で楽しい旅が続いて、会社員として培ってきた能力を失ってしまうのでは、と思うこともあったし、周りからそう思われていることも薄々感じていました。でも実際には、どんな状況であれ生きていけるという自信がつきましたね。海外では特に、人の目を見て、この人は信じていいのか、怪しいのか、瞬間的に判断するのですが、それは勘というよりも慣れであり、訓練だと思います。うまく話が進むこともあるし、逆に騙されることもある。時にはケンカしたり、ポーカーフェイスで切り返したり、いろんな駆け引きが生まれる。それが毎日、毎日続くから、刺激的だしタフにならざるを得ないですよね」

サイバーエージェントでキラキラしていた時には、酒場で言い寄って来る酔っ払いや、ぼったくりタクシーの運転手を一喝する今の自分の姿は想像もつかなかっただろう。

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