悪路でもハンドルが取られない日産の新技術 車が人を乗り越える?
日産自動車は、ハンドルとタイヤを電子的な回路でつないで操舵するバイ・ワイヤ(by wire)方式の操舵システムを、1年以内に実用化する。バイ・ワイヤ操舵は航空機で採用されている方式だが、「自動車用途で実用化レベルの技術を開発したのは初めて」(日産)。さらに、ブレーキでは衝突を避けられない場合に自動的にハンドルを切って衝突を回避する「緊急操舵回避支援システム」も開発、こちらは3~5年以内の実用化をメドとしている。
「インフィニティ」ブランドの高級車から導入を開始する予定のバイ・ワイヤ操舵は、ハンドルとタイヤの接続にステアリングシャフトを利用ぜず、両者は機械的には完全に独立している。従来のシャフト式の操舵システムだと、ハンドルとタイヤが機械的につながっているため、路面の振動を、ハンドルにそのまま伝えてしまう。
バイ・ワイヤ操舵では、小刻みなタイヤぐらつきなど、操舵に不要な情報は遮断し、ハンドル操作に必要な情報だけをドライバーにフィードバックする。このため、でこぼこ道でハンドルを取られることがなくなり、細かなハンドリング操作を加えなくても、ドライバーの意図したとおり走行がしやすくなる。
実際にでこぼこ道の運転を体験してみたが、左右小刻みにハンドルを取られる悪路独特の振動は大幅に軽減され、ハンドルの操作は平坦な道に近い操作感になる。また、バンク(左右の傾斜)のついた路面走行でも、通常であれば低い側に向かってハンドルが取られるはずだが、まったくハンドルを取られることなく走行ができる。
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