室内空間が変わる?ウイルス分解の新技術 NEDOと東大が開発
病気を引き起こすウイルス。においの元になる菌。シックハウス症候群の原因に挙げられるVOC(揮発性化合物)--。
これらの目に見えない物質を、特別な機器や大きなエネルギーを使わずに分解して無害化してしまうという、新しい技術が編み出された。独立行政法人のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と東京大学が10月11日に発表した新しい光触媒材料(=下写真=)だ。総合化学メーカー、昭和電工グループの昭和タイタニウムがこの量産化技術を確立した。
光触媒とは光を当てることで有害化学物質の分解や、水が均等に付着して水滴が分散しない超親水性といった触媒の作用を示す物質で、酸化チタン(TiO2)がベースになる。タイルやガラスなどの外装材や塗料、自動車ミラーなどに使われている。
光触媒そのものは1970年代から使われている技術だが、NEDOと東大が開発した「銅系化合物酸化チタン」と呼ばれる新しい光触媒材料のキモは、室内でも使えるということだ。これまでの光触媒は太陽からの紫外光を受けなければ、十分な効果を発揮しなかったが、銅系化合物酸化チタンは室内照明などの「可視光」と呼ばれる、太陽光でない光の照射でも高い効果を発揮する。