「デブ男性誌」、好調を支えるしたたかな戦略 ニッチを狙った雑誌が今熱い
――創刊の経緯を教えて下さい。
雑誌を企画し、会社にきちんと提案したのは2015年の4月ごろです。それから同年10月に第1号を発売したので、企画が通ってからの展開はかなり早かったですね。ただ、構想自体は5年前からあったんです。当時僕は「メンズナックル」というファッション誌で編集長をやっていたんですが、その雑誌は歌舞伎町のホストのような若い男の子たちがモデルをやっていたので、たまに「大きいサイズを特注で作ったから編集長も着てくださいよ!」と、ブランドの方に言われることもあったんです。
とはいえ、そういう服はサイズや着こなしでもしっくりこなかったんですよ。そこで、自分のような体型、170センチメートル前後で80~90キログラム、これは日本人のポッチャリ男性を代表する体型なんですが、さらに30~40代向けのファッション誌があればいいなあ、とずっと考えていたんです。
最初は「それ売れるの?」という反応
――雑誌不況のこの時代に社内では反対もあったと思いますが、どうやって説得しましたか。
反対はありましたよ、最初は「それ売れるの?」という反応でしたね。そこで、まずは厚生労働省のデータを調べたところ、2013年時点で日本の成人男性の3分の1がBMI(ボディマス指数、体重と身長の関係から算出される肥満度を表す指数)である値25以上で肥満体、またその傾向は下がることなく現在も増加中ということがデータとして出ていました。さらに年齢も調べたら、30~40代が最も多く、その世代は「LEON」など他の男性向けファッション誌もターゲットにしている層で、おカネもある。
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