「デブ男性誌」、好調を支えるしたたかな戦略 ニッチを狙った雑誌が今熱い

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倉科典仁(くらしな・のりひと)/1963年生まれ。88年にミリオン出版入社後、ティーン誌や車雑誌、単行本などの編集を手がける。2004年4月「メンズナックル」を創刊し、独特のキャッチコピーが大きな話題となった。15年10月に、ぽっちゃり男性向け雑誌「Mr.Babe」を創刊

――「デブ」ではなく、「ポチャイリッシュ」「ワガママボディー」など、独特でキャッチーな言い回しを多用しているところも、「Mr.Babe」好評の要因の一つだと思います。倉科科さんが初代編集長を務めた「メンズナックル」も、非常にキャッチコピーが話題となった雑誌でした。「Mr.Babe」にも、「メンズナックル」のノウハウは活かされていますか。

「メンズナックル」もそうですが、実はファッション誌と思って作っていないんですね。もちろんファッションも入り口ではあるんですけど、大事なのはぽっちゃり体型のままオシャレをした後に何をやるのか、どうやってモテていくのか、なのです。ぽっちゃり体型のまま人生を楽しく過ごしている人たちのライフスタイルを、しっかり提示しているようにしています。

ライフスタイル提案も充実

――筋トレの方法やアウトドアの紹介など、確かにライフスタイルの提案に多くのページを割いています。

「Mr.Babe」的な言い方になりますが、ポジティブなデブを「陽デブ」、ネガティブなデブを「隠デブ」と呼んでいます。「陽デブ」はみんな努力していて、おしゃべりも上手だし、何かしらの得意技を持っている。たとえば、ぽっちゃり男性が歌やサーフィンがうまければ、イケメンと違って“マイナスの印象”からのスタートですから、そのうまさが持つ効果が倍増する。となると、モテやすくなるんです。

私もバンドをやっていますからわかるんですが、ぽっちゃりとの相乗効果が武器になるんです。誌面で扱っているモデルさんたちも誰もが何かしらの魅力を持っているし、何よりきれいな女性を連れている方も多い。オシャレというのは、そのための基本であり、標準装備すべきもの。それに内をプラスしていくか、前向きにいろいろと始めることが大事だと考えています。

――今後の予定や目標を教えてください。

まずは現在の不定期刊行から、季刊でもいいので定期刊行すること。その結果として、大きいサイズを作っていないファッションブランドが、「Mr.Babe」に登場するようなサイズの服を作り始めてくれたらいいですね。そうすれば、大きいサイズを展開しているブランドがデザインにもっともっとこだわるようになる。そうやってポッチャリファッションを活性化していきたい。そのためにも、イベントをやりながら読者を刺激する必要があると考えています。そして、読者が「隠デブ」から「陽デブ」に変化してくれれば最高ですね。

カルロス矢吹 作家

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かるろすやぶき

作家。宮崎県生まれ。大学在学中よりグラストンベリーなど海外の音楽フェスティバルで働き始める。日本と海外を往復しながら、週刊誌記事の執筆やラジオ、テレビなどの構成を開始する。コンサートや美術展のプロデュースやCDの編集なども行う。著書に『アムステルダム〜芸術の街を歩く〜』など多数

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