「デブ男性誌」、好調を支えるしたたかな戦略

ニッチを狙った雑誌が今熱い

さらに言えば、ポッチャリ男性はお気に入りの店を見つけると、そこでまとめ買いする傾向があるんです。自分自身もそうなのですが、サイズ感もデザインもちょうどいい服はなかなか見つけられないんですね。だから客単価も高い。

それなのに、そういう層に向けてのファッションやライフスタイルのケアが全く行われていなかった。誰もが見ていなかったところだったので、この層に対するニーズを提案すれば入れ食い状態になる可能性があるのではないか、ということを、社内でデータを見せながら説得していきました。

「洋服のサカゼン」とはコラボ

――創刊号の反応はどうでしたか。

制作段階から、大きいサイズを扱っている店舗さんやブランドさんに「なんでこれまでなかったんだろう!」と嬉しい言葉をいただき、創刊号からスポンサーになっていただけました。なかでも「洋服のサカゼン」とは、現在でもイベントなどでコラボしていて、体重80キロ以上の男性限定で「大きいサイズのモデルオーディション」を開催しています。優勝者はサカゼンの広告にモデルとして出演、さらに「Mr.Babe」とも専属モデル契約を結ぶ予定です。第1号はおかげさまで売り上げが好評で、第2号(2016年3月)では洋服の読者プレゼントもできるようになりました。

実は大きいサイズの服は撮影用のサンプルがないので、服を借りる際は商品を借りていたんです。ちょっとでも汚したら買い取りになってしまうので、貸してくれなかったブランドも多かった。それが、第2号を制作する時にはこれまで洋服を貸してくれなかったブランドさんも少しずつ貸してくれるようになりました。これは大きな変化ですね。

――誌面づくりでは、どんなことを心がけていますか。

創刊号の表紙に起用した俳優のジャック・ブラックもそうなんですが、清潔感がある、明るいモデルさんを起用することを心がけています。「イケメン」ではなく、「いい顔」をしている人たち。創刊時には女性へのアンケートなどいろいろやってみたんですが、「太っている男性が嫌」という人はほとんどいなかった。同時に「不潔が嫌」という人は多かったので、そこはすごく気をつけていますね。不潔感が少しでもあれば、それは写真にもそのまま出てしまうから。また、これまでのファッション誌ではぽっちゃりを「どう隠すか」ありきで、その方法を提示していましたが、そうではなく、ぽっちゃりを「活かす」方法をしっかりと打ち出すようにしています。

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