貨物共用の新幹線やリニアは特例法の対象?

「鉄道の発展」過程で変遷してきた法律体系

ここで一つ頭の体操をしてみたい。北海道新幹線のうち、青函トンネル内とその前後の区間(新中小国信号場―木古内駅)は軌間1435㎜と1067㎜の線路が併存する三線軌条になっている。

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北海道新幹線は青函トンネルと前後の区間で貨物列車と線路を共有する(写真:tarousite / PIXTA)

この区間では、周知のとおり、新幹線列車と貨物列車がすれ違う際の貨物の荷崩れ防止といった理由から新幹線列車の最高時速は140㎞に抑制されている。貨物列車も性能上最高時速200㎞以上では運転できない。

そうだとすると、この区間に新幹線特例法の適用ができるのであろうか。新幹線特例法は、主たる区間で列車が最高時速200㎞以上で列車の運転をできることに着目して、新幹線に対する妨害行為を重く処罰しようとする趣旨だからである。

三線軌条区間以外は最高時速200㎞で走行しているとして「主たる区間」を時速200㎞以上で走行しているともいえる。しかし、全長148.8㎞のうち三線軌条区間は80㎞以上に達するし、結局「主たる区間」の定義は曖昧ともいえなくもない。

走る速さは140キロだが…

それよりも、新幹線特例法第1条でいう「主たる区間を200㎞毎時以上の高速度で走行できることに鑑み」と規定されている意味をみてみよう。

法律の規定は、「高速度で走行できる」とされており「高速度で走行している」ということにはなっていない。北海道新幹線の軌道は青函トンネルの部分も含め時速200㎞以上で走行できるように設計されている。最高時速が抑制されているのは新幹線列車と貨物列車とが擦れ違う際の安全を確保するためであって、軌道や運転システムの制約からではない。安全確保さえできれば、三線軌条区間でも新幹線列車を時速200㎞以上で運転することに物理的、機能的に問題はない。

従って、現在速度を200㎞未満に抑制しているとはいっても時速200㎞以上で走行可能な路線であるから、北海道新幹線を新幹線特例法の対象とすることは問題ないのである。

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