追加融資獲得でもなお残るシャープの懸念
シャープは9月27日、主力2行(みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行)と、シンジケートローン(協調融資)契約を締結した(28日に適時開示)。資金繰りの悪化が懸念されていたが、これによりひとまず、今2012年度末までの資金繰りにメドがつく。
今週24日、シャープは主力2行を含めた既存の取引金融機関に「実抜計画(実現可能性の高い抜本的な経営再建計画)」を示し、支援を願い出た。26日にはメインバンクのみずほCB、27日には準メインの三菱東京UFJがそれぞれ、「シャープが提示した実抜を踏まえ追加融資に応じる」(主力行関係者)と機関決定した。2行は27日、タームローン1800億円の融資(A)と、1800億円の融資枠設定(B)に踏み切った(A、Bとも契約期間は9月28日から13年6月30日まで)。タームローンとは、企業が金融機関から資金を借り入れる際に、金額や金利、機関、返済方法などを契約書に明記する手法である。
すでに8月末、主力2行は1500億円の追加融資(融資枠設定)を実施していた。8月末の融資は、今回、組成し直したシンジケートローンに含まれるため、主力2行による今期の融資総額は3600億円となる。
9月時点ではさしあたり2行での融資となっている。シャープと主力2行は、りそな銀行や地方銀行、生命保険会社など他の金融機関へ参加を呼びかけており、「10月以降、タームローン(A)については負担を分担したい」(主力行関係者)としている。融資枠(B)は主力2行が貸し出しの可否を都度判断する「アンコミット型」として設定された。