日清「バカやろう」CMの謝罪騒動が示す皮肉 ネットとお茶の間の反応は大きく違った
いわゆるツイッターを使っているようなユーザーと批判の電話をするようなお茶の間の人たちの反応は違ったということでしょう。特に大きかったと思われるのが、「不倫」に対する認識のズレです。
「不倫」に対する認識のズレ
不倫は男性と女性で許容度がまったく異なる不祥事であるといわれます。不倫は個人の色恋沙汰の問題であって、犯罪ではないという議論も男性側を中心にみられがちですが、家庭を守る側に立っている女性、いわゆる「主婦」にとっては、「不倫」というのは家庭を崩壊させるリスクがある極めて許しがたい行為として受け止められます。
当然、不倫をした人に対する許容度が最も低いのが主婦でしょう。先日、乙武洋匡さんが不倫騒動で謝罪リリースを公開した際に、妻が一緒に謝罪する声明を出したことによってかえって火に油を注ぐ結果になったことが象徴的です。
実際にはその後の取材によって、その謝罪は妻自身が主張して実施したことという話もあるようですが、普通に考えたら夫の不倫の被害者であるはずの妻が謝罪する、というのは主婦目線で考えると何らかの圧力がかかったと感じて当然の構造なわけです。
そんな中、今回の日清のテレビCMにおいては、自ら不倫をして夫を裏切った女性である矢口真里さんが「危機管理の権威」として学生に対して講釈をするという絵になっていました。
普通に考えてみれば矢口真里さんが危機管理の権威というのはあり得ないと思いますし、矢口真里さんがしていた行為は主婦目線からすると「二兎を追う者は一兎をも得ず」という普通の女子大生の恋愛の二股のような軽い話ではなく、夫を裏切る不貞行為であって、その人間が偉そうに危機管理の講釈をするなど許せない話と感じるのはある意味当然でしょう。
おそらく、このビートたけしさんが学長で、矢口さんがその教員という枠組みは、かつて議員との不倫騒動で業界から総スカンをくらった山本モナさんに、ビートたけしさんが救いの手をさしのべた過去をかぶらせているのだと思います。
そういう意味では、個人的には、今回のテレビCMで矢口真里さんにビートたけし学長が二度目のチャンスをあげるという文脈を強調すればここまで批判は出なかったような気もしますが、それでは絵的に面白くなくなってしまうという話なのかもしれません。
特に矢口真里さんがすでにテレビ番組で自身の不倫騒動を散々ネタにしていることから、矢口真里さんは自らまいた種である不倫自体を反省していないのではないか、と感じている人が多いというのも日清食品にとっては悪いほうに振れてしまった可能性があります。
いずれにしても、好意的に受け止められていた感もあるネット上の反応と比較すると、矢口真里さんに対して良い印象を持っていない人たちからすれば、今回のテレビCMは神経を逆なでされる動画であった可能性は低くありません。
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