新入社員研修は「学生から社会人へのマインドチェンジ」 新入社員教育の実態調査
HR総合調査研究所が人事担当者に対して実施した「新入社員教育」についての調査の中から、前回は「ゆとり世代」に対する施策、入社前教育について報告した。今回は、入社後の導入研修とOJTについて見てみることにする。
社会人としてのマインドにチェンジさせる研修内容
「研修の目的として重要なテーマ」で最も多いのは「学生から社会人へのマインドチェンジ」であり、8割近い。他のテーマは多くても4割程度であることを考えると、新入社員研修の目的は「学生から社会人へのマインドチェンジ」だと言っても過言ではないだろう。人生には多くの転機があるが、たぶん就職は最大の転機だ。付き合う人、話し方、時間の使い方のすべてが変わる。社会人としてのマインドに変わらなければならない。業務知識よりもマインドチェンジを重視していることは理解しやすい。
図表1:入社時導入研修の目的として重要なテーマ
入社時導入研修の内容だが、全体の8割を超えている項目は「ビジネスマナー」と「社会人としての心構え」だ。「研修で強化している内容」でも「社会人としての心構え」はトップであり、2位が「ビジネスマナー」だ。
企業規模により実施率に差がある項目もある。「企業の歴史・理念」「キャリアプラン・人事制度」「コミュニケーション力向上」「コンプライアンス」「メンタルヘルス・健康管理」「協同作業の重要性」は、企業規模が大きいほど実施している。たとえば「メンタルヘルス・健康管理」を見てみると、「1001名以上」では59%が実施しているのに対して、「300名以下」では実施率は28%にすぎない。抱えているリスク課題の差なのだろう。