気仙沼市が独自の住宅再建支援策、国の制度でカバーされない住民を対象に虎の子の財源使う

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それでも市が支援策の創設に踏み切った背景には、震災復興にかかわる制度の限界や対象範囲の狭さがある。気仙沼市では全壊および大規模半壊となった住宅のうち、4割強が災害危険区域の指定を受けなかった。100年に1度レベルの津波からの浸水を防ぐ海岸堤防を新たに建設することで、東日本大震災クラスの津波が来た場合でも浸水被害はないと想定された地域については、建築制限の必要なしと市が判断したためだ。ただしその場合、住宅再建への国の支援措置も存在しない。こうした中、市民の間から不公平感の是正を求める声が持ち上がったことから、市としても対応を余儀なくされた。

1件当たりの金額が最大で50万~200万円にとどまったのは、市の財政状況が厳しいことが主因だ。

市は、東日本大震災復興基金および財政調整基金の利用可能額から支援可能総額を算定する手法を用いた。前者は36億円、後者は33億円。そこから10億円を残したうえで約60億円の6割を住宅再建に、4割を産業再生支援などに支出する。市は虎の子の基金のほぼすべてを使うことになる。

一方、新制度創設でも支援対象とならないのが、市外での住宅再建を計画している世帯だ。気仙沼市では震災前から現在までに1000世帯以上が減少しているが、市外に転出する人には支援の手は及ばない。また、住宅再建を断念して民間アパートでの暮らしを決めた人も支援の対象外だ。このように、独自制度を設けても、なお支援の対象とならない人が少なからず残る、

被害の大きさから見て、国のよる新たな支援策がなければ住宅再建が進まないことを、気仙沼市の事情は物語っている。

(※)半壊で住宅をやむを得ず解体した世帯を含む。

■タイトル横写真:災害危険区域に指定されなかった気仙沼市南郷地区



■気仙沼市役所

(岡田広行 =東洋経済オンライン)
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