スマホ大手・台湾HTCが犯した4つのミス、「傲慢」批判が集中

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台湾企業は製造に没頭しすぎ

第三の誤り。高価格に固執しチャンスを逃した。HTCは、ローエンドの製品に見向きもしなかった。その結果、ローエンド市場で惨敗し、ハイエンド市場でもアップルとサムスンに勝てなかった。

そして第四の誤り。M&Aの効果が上がらず投資家からの信頼を失った。HTCはハイエンド志向が強く、製品ラインナップを広げる他社との提携に後ろ向きだ。他方で昨年、米国の有力イヤホンメーカーに資本参加したが、今年になって株式を譲渡している。この投資にまったく効果がなかったことを示している。

昨年の株主総会では、威盛電子の子会社を買収したことに、株主から大きな不満が示された。

世博国際商務法律事務所の周延鵬首席顧問は、「台湾企業は態度と方法を変えるべきだ。台湾企業はいつもチャンスをつかんで利益を上げるが、市場が成熟すると多くの難題が浮上してくる」と指摘する。

ブランドは高度なリソースの統合が必要であり、製品技術が必要であるばかりでなく、特許が整っていなければならない。しかし、台湾企業は製品の生産に没頭するだけだ。HTCは特許があまりに少ない。そのため、特許権訴訟になれば、受け身になるしかない。

「台湾企業は優れた製品を作りさえすれば消費者に受け入れられると考えているが、ブランドは技術、デザイン、セールスプロモーション、特許の高度な統合であり、どれか一つが欠けても駄目だ」と周氏は話す。

HTCの教訓は、台湾ブランドが国際的に発展するうえでの貴重な経験となった。この教訓を受けて、王会長と周CEOは劣勢を挽回できるだろうか。

(台湾『今周刊』No.816 ライ筱凡、翁書テイ、鄭韵臻記者 =週刊東洋経済2012年9月15日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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