ジェネリック薬品の性急な拡大は新薬開発に重大な影響も
価格の問題もある。後発品は認可初期には先発薬の約7割に設定されるが、その後、2年に一度の薬価改訂と競合により平均的には5割程度に下がる。古い薬品だと1~2割程度の価格になるものもある。だが、海外には1割程度の価格になるものもあり、相対的に国内のジェネリック薬には割高感がある。
価格低下促進も
新薬の研究開発費は1点当たり数百億円といわれるが、認可されない案件もありさらに膨大な費用がかかる。認可されてからの20年間で回収すればよいとはいえ、特許権は特許出願日から発生するので、認可までの期間は収益につながらず、正味20年あるわけではない。
海外と比較して認可まで2倍近くかかる超長期案件もあり、「日本のドラッグ・ラグ」は悪名を馳せている。ここ数年で、期間短縮の仕組み導入が図られてはいるが、実効はさほど上がっていない。そのうえ薬価改訂もあり、先発メリットはかなり制限されている。
一方、ジェネリックの場合は、すでに実績があり、市場性もある医薬品を選択でき、製剤設計や安全性試験程度ですむので、研究開発費用は1品目1億円程度にすぎない。それにもかかわらず営業利益率は、新薬メーカーの20%前後に比べ、大手3社で13%強と一見低い水準にとどまっている。
多品種少量生産のためラインの切り替えが頻繁で効率が悪いという問題はある。それにこれまで海外の大手ジェネリックメーカーが日本進出を躊躇してきた理由の一つ、品質への要求水準が高すぎることもあろう。
だが、最大の理由は、厚労相の指針に従って生産能力の増強を図っているために設備投資が以前の数倍にかさみ、償却負担が増大していることだ。