ジェネリック薬品の性急な拡大は新薬開発に重大な影響も

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 そもそも医薬品の効果は人によって大きく差が出るもので、実際の患者に対する効果は、使ってみないとわからない。わからないものを使うのは不安だ。だから医療機関が、使い慣れて経験的にカンの働く先発薬を処方するのはやむをえない。

これに対し、ジェネリック製薬協会では、メーカーと医療機関・患者をつなぐ情報ネットワークを構築中で、2010年4月には運用をスタートする。当面、基本データ開示や問い合わせに対する回答が中心となるもようだが、さらに踏み込んで利用実績データを集積・フィードバックするなど、利用者側の不安を取り除く仕組み作りに期待したい。

一方、厚生労働省は、06年に処方箋の下に医師のサインがあればジェネリック薬に変更可能とするルールを定めたが効果が上がらず、08年4月からは、サインがなければジェネリックに変更可能(サインがあるときのみ変更不可)にルールを変更した。ジェネリック薬の使用を前提としたわけだ。

また、ジェネリック薬利用率の低い病院の診療報酬を実質的に引き下げる手法も導入している。

厚労省の目的は医療費の削減だ。だが、医療費の中に占める薬局調剤のコストは全体の15%程度にすぎない。国民からすれば、医薬品価格の低下は歓迎すべきことには違いない。特に糖尿病や心疾患などの生活習慣病、抗うつ剤など長期間にわたる服用が必要な患者にとって、ジェネリック薬の存在は価値がある。だが、こうした性急さが、現場の不安を増幅している面は否めない。

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