「民進党」は、発足前から難題が山積している 野党結集にも足並みの乱れ
「(菊田氏が)後になって(参院選に)出るのは、県民の意向にそぐわない。(県民に)支持されなかったのが(出馬を止めた)原因ではないか」
22日の会見で、生活の党の小沢一郎代表は、菊田氏の出馬とりやめについてこう述べた。
だが民主党は、「世論調査では菊田氏の方が森氏よりも勝っていた。擁立を止めたのは、野党がバラバラにならないため」(党関係者)と主張する。さらに「新潟県柏崎市には東京電力の柏崎刈羽原発があるが、反原発派の森氏を電力総連や電機連合など電力関連の労組が応援するはずがない」との声もある。
こうした選挙協力以上にハードルが高いのは、政党の合流問題だ。たとえば民主党の野田佳彦前首相らは小沢氏の参加を強く拒否しているし、維新の党は昨年12月にたもとをわかった改革結集の会の5名の参加を「けじめを付けていない」と批判してきた。
だが小沢氏は「できれば社民党も入れて、大きなグループを作るべき」と、改めてオリーブの木構想を提唱し、新潟県内でどのように比例票を集めるのかについても「森君には『生活』とは言わせない」と新党へ秋波を送っている。また改革結集の党は22日夜、おおさか維新の会に合流を望む小沢鋭仁氏を除く4名が民進党へ参加する意向を民主党に伝えている。
幹事長のポストに誰が就任するのか
このように、多難な門出が予想される民進党だが、さらなる懸念は新執行部の人事、とりわけ選挙を仕切り、金庫の鍵を握る幹事長のポストに誰が就任するかである。
「次期幹事長には、江田憲司氏が就任する可能性が高い」
ある民主党関係者はそう読んだ。その理由として、岡田克也氏が民進党初代代表に就任することが決定している以上、幹事長職には維新の党から迎えるのが順当であること、そして党が一新したイメージを出すにはこれまでにない人事を行わなければならないこと、さらに幹事長には小選挙区で勝ち残った力の持ち主をあてがうべきであることの3点が挙げられた。そしてこれら条件を最も満たすのは、江田氏以外にいないという。
しかし、これまで民主党にかかわってこなかった江田氏に、民主党時代に蓄財してきた巨額の政党助成金を任せることについての抵抗感も否定できない。またこれまで、みんなの党の規模以上の政党に所属した経験がなく、「一匹狼」の気質の持ち主である江田氏に、野党第1党の幹事長の職が務まるのかという不安もぬぐえない。
すれ違う思惑と噛み合わない駆け引きを乗せたまま、民進党は今月末に始動する。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら