「内定式」って何のためにある?

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「内定式」って何のためにある?

金谷建史
 2010年4月入社のあなた、内定おめでとうございます。
 9月、10月は多くの企業が内定式を行い、あなたの社会人生活が本格的にスタートしてきます。そこで、内定式とはどんなもので、何に注意したらよいかを一緒に考えてみましょう。

 まず、内定式とは何をする場でしょうか?

 多くの学生に聞くと、学校の入学式のようなイメージをもたれている人がほとんどです。もちろん、内定者のための懇親会であったり、食事会であることも事実です。
 ですが、学生生活と社会人生活の違いは、内定式からはじまります。学校はあなたからお金をもらって授業を行います。なので、入学式や卒業式はただの儀式のようなもの。一方、これからあなたが入社する企業とは営利集団です。そして、営利集団の活動にはかならず目的というものがあります。
 これから社会人になるあなたは、企業活動にはかならず目的があるということを、つねに意識するようにしてください。

 さて、では内定式とは、企業にとってどのような目的があるのでしょうか?
 主に以下の3つが挙げられます。

■企業と内定者との契約

 企業は人、物、金の予定をしっかりと立てながら事業を展開しています。1人入社するということは、その分費用もかかります。あなたという戦力を社内のどこに補充するかを検討し、他の戦略と相互で考え、意思決定を行っています。
 ですから、企業としては、内定式後に他の会社に変えられたり、辞められたりすると、予定がくるってしまうのです。内定式は、最終的に入社の意思を決めさせる場なのです。
 企業によっては内定式の場で、入社確認書のようなものにサインをさせることもあります。そこでハンコなど、企業からもってくるように指示されているものを忘れたりすると、企業から見れば目的を達成できなくなります。たかが1つの忘れ物でも、相手の目的達成を阻害してしまう行為は大きな汚点につながるので、しっかりと前日にもち物確認を行いましょう。

■内定者の人柄チェック

 内定式にはすべての内定者と企業の重役が集まります。企業は全内定者を見て、1人ひとりをどこに配属をさせるのが最適かを検討しています。大勢の内定者がいる中で、また内定式という油断している中で、あなたがどのような性格のもち主なのかを見て、配属の参考にしているのです。

 さきほど企業の活動には目的があると書きましたが、あなたも懇親会や食事会をただ楽しんでしまうのではなく、自分の中で何か目的をもってください。つまり、企業にあなたがどのような人だと思ってほしいかを考え、その通りにふるまうべきです。これだけであなたの評価は入社前からグッと上がることでしょう。

■能力査定

 2010年内定者には大きな課題があります。多くの企業が業績不振で採用数をおさえていますが、団塊の世代が大量に退社することで、そのスキルや仕事を若い人が引き継がなければなりません。
 しかも、その引き継ぎ時間はあまり余裕がありません。そこで求められているのが、高いスキルと即戦力です。それを計るため、企業によっては内定式にテストを行うところもあります。最低限、あなたが入社する会社がどの業界で仕事をしていて、その業界と企業がどのような状況にあるかは理解しておきましょう。

 これらは、決して難しいことではありません。最低限、これらの事を意識した上で、あなたの本当の人間的魅力を発揮していただければと思います。

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金谷建史(かなや・たてふみ)
株式会社ファーストプロポーザル代表取締役社長。
1977年、横浜市生まれ。中央大学商学部経営学科卒業。富士通エフ・アイ・ピー株式会社に入社。
新人時代、とくに強みはなかったが、独自のノウハウを用いてプロジェクトリーダーに。その後、親会社である富士通とのプロジェクトに参加し、富士通からヘッドハンティングされた経験をもつ。また、大手広告代理店の新子会社設立プロジェクトや大手コンサルティング会社の子会社設立にも手腕をふるい、大手企業による数百億円のプロジェクトなどにも声がかかる。
現在は独立し、上記を成し遂げたノウハウとCSRの理論を用いて企業や有名人などのブランディング、内定者支援事業を手がけている。
著書に『内定「後」の教科書』(東洋経済新報社)がある。
株式会社ファーストプロポーザル URL:http://1propo.com/
内定者のための支援サイト URL:http://sinjin.jp/
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