アジアと南米で大ウケする「着物ドレス」の正体 海外展開で始めてわかった着物の価値
――金魚ドレスや鳳凰ドレスは振り袖のように袖が大きく長いですね。
山中:金魚ドレスを着て歩いたり、風を受けたりしたときに、まるで金魚が泳いでいるようにデザインしました。鳳凰ドレスは、鳳凰が舞い降りたような動きが出るように、そして、着たときには強いエネルギーを感じてもらえるように制作しました。
ファッションのすばらしいところは、女性が袖を通したその瞬間に、ドレスに命が吹き込まれることです。同時に、ドレスが着る人にエネルギーを与えることもできる。「MANAKA」のドレスを着る女性達に、パワーやエネルギーを感じてもらえることを目指しています。
――深紅、墨、金など、色づかいにも特徴がありますよね?
山中:赤色は、古来「強さ」を表わす色として用いられてきましたし、「情熱」というイメージもあります。色の組み合わせとしては、黒×猩猩緋(赤系)×金は、戦国大名の間で陣羽織などに使用されてきました。「MANAKA」の奥底には、「凛とした美しさ、内に秘めた強さ・情熱」を表現したいという想いがあります。現代社会で戦う女性には、スーツを脱いで、「MANAKA」のファッションに袖を通すことで、自分自身をもっと楽しんでもらえたらと。この想いを表現するために、深紅(赤)、黒(墨)、金という色づかいには重要な意味をもたせています。
海外から日本へ逆輸入マーケティング
――2015年は海外での活躍が目立ちましたね。どこの国でどんな活動をされましたか?
山中:日本では、六本木ヒルズumu(ウム)で開催された『アート蚤の市』や、HMJ、TOKYO DESIGN WEEKなど、アート系イベントを中心に販売をしてきました。ですが、それ以上に2015年は海外のイベントなどで「MANAKA」を知ってもらう機会に恵まれました。
日本とブラジルの修好120周年を祝う、ブラジル開催の「花火祭り」では、「KAO=S」のボーカル川渕かおりさんに「MANAKA」の金魚ドレスを着ていただきました。また、TEDx香港のイベントライブでは、ミュージシャンのSawaka Katalynaさんに「MANAKA」の鳳凰ドレスを着ていただきました。
<西内ひろさん×大島央照さん>のプロジェクト #PASSPORT BOOK vol.1 IN CUBA.の撮影でも、キューバで「MANAKA」の金魚ドレスを着てもらいまして、大きな反響をいただいています。
海外のイベントで、アーティストやモデルさんが「MANAKA」を着ることで、外国人のみなさまにも日本文化に興味を持っていただくきっかけになれたら、すごくうれしいです。
――外国人の方は「MANAKA」を見てどんな反応をしましたか?
山中:2015年12月、シンガポールの高島屋で開催されたKIMONO KOLLAB Singapore popupイベントで、「MANAKA」は初の日本ブランドとしてコラボ参加させていただきました。鳳凰ドレス、着物風ポンチョ、着物生地の日傘、下駄などを販売させていただいたのですが、現地でのお客さまの反応を見るうちに、着物に対する価値観の違いを強く感じました。
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