人事部はつらいよ!嫌われ役の本音と実態

人事部員だって悩んでいる

――理想の人事制度はあるのでしょうか?

金融:あれば、教えてほしいですよ(笑)。実は金融機関では数年前、入社して3、4年経った若手が次々と辞めていくという、深刻な事態が起きました。メーカーなどに就職した同期と比べ給与が低すぎる、と。金融業界は20代の給与の上昇率が低く、30歳前後で昇進したときにドーンと上がる体系が主流だったからです。

そこで、20代の給与カーブを上げて彼らのやる気を引き出したのですが、次の年からはそれが当たり前になり、翌年入った新入社員のやる気にはつながらない。一方で、30代以上の社員からは「何であいつらだけチヤホヤするんだ」という不満が出ます。みんなが納得する人事制度なんてありません。

メーカー:私は制度なんてどうでもいいと考えています。例えば在宅勤務も、制度にする必要はないと思うんです。所属長がこの社員は家でもしっかり仕事をすると判断すれば認めればいい。だけど、会社が大きくなると、ルールを作りたくなるんです。結局、制度は「必要悪」と理解することが大切ではないでしょうか。

――「こんな社員が評価される」、逆に「こんな社員は要注意だ」といった、人事部内で共有されている認識のようなものはありますか。

メーカー:全然ありません。構えないで、人事とも普通に付き合ったらいいんじゃないですか。

金融:ウソをつくやつだけは絶対に評価しません。例えば、営業先を10件回ってきたと言っておきながら、実際には9件しか回っていなかったと後でわかったりする。そんな小さなウソでも、その社員に対する評価は根底から覆ります。逆に、評価される社員ですか……。それを言っちゃうと、みんな同じことをするので、それだけは絶対に言いません(笑)。

(取材は個別に行い、編集部で座談会形式にまとめました)

(編集部・野村昌二)

※AERA 2016年3月21日号

 

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