「横暴すぎる老人」のなんとも呆れ果てる実態 暴力、セクハラ、万引き…社会は耐えきれるか

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JR6社や日本民営鉄道協会などの調査によると、鉄道係員に暴力を振るった加害者の年齢別では60代以上が2014年度まで5年連続でトップだった。ちなみに加害者全体のうち6割弱が飲酒しており、発生した時間帯は22~翌5時が最も多い。酒を飲んだ後の終電時刻前後でのトラブルが多いと推測できる。 

高齢者は自尊心が強いのも特徴だという。「人に注意されたり、何かを教えられたりするのを嫌がる人が多い。よくあるのが指定席の券売機でのトラブル。操作方法がわからないまま挑み続け、後ろに行列ができる。係員が助けに入ろうとしても『うるさいな』と拒否。そのうち後ろに並んでいる人から『早くしろ』という怒りの声が飛び、もめ事になる。尋ねてくれればすぐ解決する問題なのに…。言葉は通じなくても何でも聞いてくる外国人のほうがよっぽど対応しやすいですよ」(社員)

病院での暴力・暴言、セクハラも多い

東京・新橋の東京慈恵会医科大学附属病院は2004年から「院内交番」と呼ばれる渉外室を設置している。配属されているのは警察OB。患者からの暴力や悪質なクレームなどに対応するのが目的だ。

「病人かつ高齢者となると『いたわってもらって当たり前』という認識がある。そのため自己中心的な振る舞いをしがちで、院内暴力につながっていく」。慈恵医大の渉外室設立時から昨年3月まで勤務していた、警視庁OBで同渉外室名誉顧問の横内昭光氏はそう話す。

私立大学病院医療安全推進連絡会議が2011年、11施設の全職員に調査を実施(有効回答約2.3万人)したところ、患者やその家族から暴力を受けたことがあると回答した職員は4割超に上った。院内暴力などをふるった人を年齢別で見ると、暴力は70代、セクハラは60代が最も多く、暴言についても60代が2番目に多い。

院内暴力や悪質なクレームによって、優秀な職員が辞めてしまうことも少なくない。病院が警察OBを採用して院内暴力などに対処する動きは全国に広がっており、病院関係者の危機感は強まっている。

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