「空気」と「世間」 鴻上尚史著
「場の空気を読む」「あいつは空気が読めない」などという時に使われる「空気」。この言葉は「世間体が悪い」「世間に申し訳ない」などと言う時に使う「世間」がカジュアル化したものだと人気演出家である著者は分析する。
そこには、空気が読めず、世間を騒がせる奴は社会から退場しろという暗黙のメッセージが含まれる。こうした息苦しい状況が、いじめや無差別殺人、果ては戦争(戦艦大和の特攻的出撃はその場の空気で決まったというエピソードまである)にまで発展しうるという。だから、その場の空気には誰も逆らえない。
日本人を縛るこの悪しき「空気」と「世間」の正体を突き止め、そこからどうやって脱出するのかを論じる。
講談社現代新書 777円
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