日本の殺人 河合幹雄著

定義の仕方にもよるが、日本で1年間に起こる殺人事件の数は約800件。その中で、小説や映画で描かれるような凶悪犯はごく少数だというのが、本書の見解である。
“殺人鬼”のようなイメージは、マスコミがつくりあげている部分がかなり大きい。そして、凶悪な事件ほどニュースバリューがあるため、大きく報道される。こうしたことから、この国の治安が悪化したと簡単に結論付けることにも異議を唱えている。
法社会学者の著者は、数々の事件を詳細に検証しながら犯罪者の実像に迫る。また、警察の捜査から、取り調べの実態、量刑と刑務所での生活、受刑者の出所後、死刑問題、さらに裁判員制度についても広い視点から検討する。
ちくま新書 819円
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