川添高志・ケアプロ社長--日本の健康診断費をワンコインにする男

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川添高志・ケアプロ社長--日本の健康診断費をワンコインにする男

「予防は治療に勝る」--。長野・佐久総合病院の元院長で、農村医学を確立した故若月俊一は、この言葉を実証した名医だ。

1959年から長野県旧八千穂村(現佐久穂町)で、15歳以上の全村民を対象とした集団検診と健康管理を実施。病気の早期発見・早期治療によって、八千穂村民1人当たりの国民健康保険の総医療費を大きく減少させた。この活動は県全体の集団健康スクリーニングに発展し、「低医療費で長寿命」という「長野モデル」を築き上げた。

舞台は変わって現在の東京。ここにも“ビジネス”を通じて、予防が治療に勝ることを証明しようとする会社がある。それが「ケアプロ」だ。

いったい、どんな会社なのか。ケアプロが展開する事業は「ワンコイン(500円)健康診断」。検査内容は血糖値、中性脂肪、総コレステロール、骨密度・血圧・身長・体重・BMIの8メニュー(4項目)。1項目わずか500円、全項目セットでも1500円で済む。

手軽さも売りの一つ。予約の必要がなく、全部の検査結果が出るまでおよそ10分。結果を基に、看護師が生活習慣や食生活の改善に向けたアドバイスもしてくれる。おカネがない、時間がないという理由で健診を敬遠していた人たちにとっても利便性が高い。

低価格の秘密は極めてシンプル。ケアプロは医療機関ではないため、行うのは検査だけ。仮に悪い結果が出ても治療はできず、病院に行くことを勧める。だから、人件費のかかる医者は不要。必要な設備も1台数万円の血液検査機器のみ。初期投資や固定費が少ない分、価格を抑えられる。

客層はフリーターや自営業者、サラリーマン、OL、主婦など幅広い。昨年11月のオープン以降、多いときは1日40人以上が来店する。累計来店者数は4000人を超えた。

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